【製作国】 韓国
【原題】 MEMORIES OF MURDER
【邦題】 殺人の追憶
【監督】 ポン・ジュノ
【プロデューサー】 チャ・スンジェ ノ・ジョンユン
【脚本】 ポン・ジュノ シム・ソンボ
【撮影】 キム・ヒョング
【音楽】 岩代太郎
【出演】 ソン・ガンホ キム・サンギョン パク・ヘイル キム・レハ ソン・ジェホ ピョン・ヒボン
【あらすじ】
1986年、ソウル近郊の農村で若い女性の裸死体が発見された。
無惨にも手足を拘束のうえ強姦されており、その後も同じ手口の連続殺人事件が相次いで発生。現地には特別捜査本部が設置され、地元の刑事パク・トゥマン(ソン・ガンホ)とソウル市警から派遣されたソ・テユン(キム・サンギョン)は、この難事件に挑む。性格も捜査方法も異なる二人は対立を続け何度も失敗を重ねながら、ついに有力な容疑者を捕らえるのだが…。
天才ですね、ポン・ジュノという監督は。
一見美しい田舎の風景、子供が無邪気に遊んでいるその先には赤い服を着た殺された女性の死体、全体的にトーンを落とした映像、遺体の映像の後の焼肉店での生肉を焼く映像、閉鎖的な田舎の空気、寂しい歌謡曲の流れる雨の夜、白い煙を出す工場のタワー、田舎の刑事の古いやり方と都会の刑事のスマートな捜査、、、。それらの場面がこの映画により恐怖感と緊張感を与えています。
ソン・ガンホ演じる刑事がかなりむちゃくちゃなやり方で犯人をでっち上げる。そこにシュールな笑いがはいっているんだけどそれがまた違った怖さがでている。自白させるために台詞を覚えさせたり暴行をくわえるんだけど、なぜか容疑者はいつもブリーフ姿ですっとぼけてるし、犯人捕まえるときドロップキックをお見舞いしたり。。。
もうなにが怖くてどこが笑いの部分なのがわからなくなってくる。
まったくタイプの違った2人の刑事を中心に事件・犯人を追い詰めていっているようで実はどんどんこの事件においつめられていく様子がなんともいえない。もう手に汗握るってこういうこと?ですね。
冷静だった刑事が最後、雨の中感情をあらわにするシーンとかね、もうすごいんです。
この映画は80年代、軍事政権のなか実際おきた事件をもとに製作している映画。
犯人もいまだ捕まっていないみたいです。なのでこの映画のエンディングも賛否両論。
いやいや、あのエンディングだからこそいいんです。最後の最後まで恐怖感を与えております。
軍事政権下という特殊な時代の普遍的な日常、人間の醜さ、残酷さ等など、すべてがリアル。最後のソン・ガンホの表情がこの映画の全てを物語っているのでは?!
このソン・ガンホという役者はほんとにすごい!ぜんぜんかっこよくないのに(すみません)すごいひきこまれますね。参りました。あんな存在感がある役者はそういないと思いますね。私は韓国の役者があまり覚えられないんです。なぜって?顔がうすくて判別不可能だからです。はっきりとした顔がすきなんです。(顔ははっきりとしたイケメンはすぐに覚えます)でも彼はすぐインプットされました。彼の出演作品、どんどん観ていこうと思います。(いくつかみてるけど。そのレビューはまた今度)
あと、もう一人の刑事役のキム・サンギョン氏ですか?最初はぜんぜんかっこいいと思わなかったけどだんだんラストに近づくにつれてかっこよく見えてしまいました。
はー、それにしてもすごい映画でした。こういう作品は日本にはとれないだろうなぁ。。あんまりみたことないけど日本の刑事ものの映画ってやたら熱血だったり事件がお祭り騒ぎだったり、最後はめでたしめでたしのハッピーエンド。人間のリアルな感情が見えてこない。犯人だって刑事だって同じ人間。どっちも醜い部分というものはもっているはず。そういうことを韓国映画、香港映画ってわりとみせるんですよね。日本の場合は、犯人・事件の酷さ、そこばっかりなきがするんですよ。善と悪は誰もが持ってるんです。きれいごとばかりじゃつまらないですよ。
この映画、というかポン・ジュノについて朝まで語れそうです。「母なる証明」もそうだったけど、彼の作品はどの場面もみすごしたらダメですね。ポップコーンに気をとられていたらダメです。どの場面も大事でいつどこでつながるかわかりませんので。これ注意。そして見終わった後、論議をしたくなること間違いなし。
だんだん彼がかっこよく見えてきてしまいました・・・※ソン・ガンホじゃないよ
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