【原作】 コン・ジヨン(孔枝泳)
【脚本】 チャン・ミンソク,パク・ウンギョン
【監督】 ソン・ヘソン
【撮影】 カン・スンギ
【照明】 ファン・スヌク
【音楽】 イ・ジェジン
【出演者】 カン・ドンウォン イ・ナヨン
【あらすじ】
30歳という年齢で,これ以上生きていく理由も意志も希望もなくしたユジョンは,3度目の自殺にも失敗したその年の冬,精神科治療を受けなければならない状況で,叔母のモニカ修道女から一つの提案を受ける。うっとうしい治療課程の代わりに,1か月間死刑囚に会う奉仕活動をしろということ。ユジョンとしては,世の中で自分の心を認めてくれる唯一の人である叔母の要請を断れない。
ユジョンが刑務所で会ったユンスは,何と3名の女性を殺害した罪で死刑宣告を受けた人物だ。ユンスは,容易ではない初めての出会いで,モニカ修道女の好意を破って監房へ帰ってしまう。だが,それが終わりでない。ユジョンは,生の絶望を分かってしまったユンスの目つきと表情に,あまりにも習熟した自分の顔を発見したのだ。
出逢いを継続したユンスとユジョンは,いつのまにか心を開いてお互いの痛い記憶を治癒し始める。1週間に3時間だけ,木曜日の10時から1時まで。今,私たちの幸福な時間が始まったのだ。しかし,その時間は決して長くない。
2009年ラスト号泣しました。もう嗚咽もの。
死刑制度という重たいテーマが前提にあるし、最後もほんと悲しいんだけど後味は悪くないです。韓国映画特有の身分の差、迫っている死、家庭の事情、、、などベタな設定がてんこ盛りですがまったくもって安っぽくないです。なんだろう?映像と音楽もよかったのかな?ゆっくりとした音楽に陽の光が射した部屋。最初はきつい顔をして生きる意味を失っていた2人がだんだんと心を通わせ柔らかな表情になり、笑顔が増えていく。観ているこっちも自然と顔がほころびます。ま、美男美女だからってこともあると思いますが。
この映画よーくみないといろんなことをスルーしがちです。肝心なところがわかりずらいんです。私は2回見たのですが2回目にしてやっと全部理解できた気がします。
生きる意味を失い3回自殺未遂をユジョン。シスターの叔母に1ヶ月死刑囚と会うという奉仕活動をしろといわれユンスと出会う。お互い生きる意志もなく常に死を感じながら生きているんだけど、ユジョンはユンスに自分と似ている部分を感じる。何度も会ううちにだんだんと心を通わせ始める2人。ユンスが自分の過去をユジョンに話し、それを聞いたユジョンは「私もわかる」と答えるんだけどユンスにとってみれば、ユジョンは何不自由もないお嬢様に自分の気持ちなんかわかる訳がないと怒り、せっかく開いた心がまた閉じちゃうんです。ま、そりゃそうですよね。ユジョンの過去を知らないユンスからしてみたらお嬢様になにがわかるかと。が、しかしユジョンが自分の過去をユンスに話し、ユンスもそれを理解し本当に2人は心を通わせるんです。
それからユジョンはユンスのためにいろんなところへ行き写真をとり、刑務所から出られないユンスにその写真を渡したり、生まれて初めてお弁当をつくってあげたりとどんどん2人の時間は楽しいものになっていくのに残された時間は少ないわけで・・・。切ないですね。。。
はい、ここでこの映画の号泣ポイントその1。
ユンスは17歳の少女を犯し3人を殺害という犯行(この犯行内容も実は・・・映画をみるべし!)により死刑を宣告されているのですが、殺された1人の母親がユンスに会いたいというんです。会って殺してやりたいが、それはいけないこと。だからあなたを赦しますといって泣きながらユンスを赦そうとするんです。それによってユンスも泣きながら謝るんだけどそのシーンがね、、、もうなんともいえない。普通むりでしょ?自分の娘を殺した犯人を赦そうとするなんて。まだ完璧に赦すことはできないけど赦せるまで会いに来ます。だからあなたも生きてと泣きながら言うシーンは涙がこぼれます。
号泣ポイントその2。
2人は心を通わせ、ユンスにとっては週に1回木曜日の3時間がかけがえのない時間となり、このまま一生でられなくてもいいからここで施設の子供たちを手紙をやりとりをし、ユジョンと会えればそれでいいと。死にたいと思っていたユンスがやっと生きたいと思うようになったのに残酷ですね、ユンスの死刑執行の日が決まります。それを知ったユジョンは今まで死ぬほど憎んできた母親(憎んでいる理由は・・・映画をみるべし!)を赦すことをすれば奇跡は起きるのではないかと母親に会いに行き、母親を赦そうと泣きながら自分の思いを母親に話すユジョン。これはねー、ほんとつらいよ。この母親ほんと酷いんですよ。自分の娘よりもようは家の体裁が大事なんですよ。母親を赦すことは自分にとって死よりも辛いこと。だから母親を赦すことでユンスが助かればと思うんですよ。。。はい号泣。
つぎ、号泣ポイントその3。
とうとう死刑執行の日。いつもユジョンが来るのは木曜日。木曜日じゃない日に看守がユンスを呼びに来る。明るくなり前向きになったユンスは初めは気づかないんだけど、途中で今日が最後の日ということに気づくんです。同じ部屋にいる囚人たちも気づいて黙り込むんだよね。そこでユンスが「ご飯を食べ終わってから」といってご飯を食べるんだけど言葉では「怖くない」っていってもやっぱり気が動転してしまいご飯をのどに詰まらせてちょっととぼけながら「死ぬかと思った」っていうんです。。。笑えない!もうすぐほんとに死んじゃうのに!
最後の号泣ポイント。
死刑執行の場面。もうこれは、、、映画観てください。
簡単にいうと、ユンスが最後お世話になった看守の人たちや、シスター、自分を赦そうとしてくれた殺してしまった人の母親への感謝の言葉。そしてユジョンへの感謝の言葉と愛していますという言葉を話すところ。
そして最後の最後執行直前。弟が好きだった愛国歌を歌い、泣きながら怖いというユンス。。。。
あー、キーボード打ちながら泣きそうです。
あ、あとユジョンがとった写真にケーキをとった写真があるんだけどそこにうっすらユジョンがうつってるんですよ。それに「木曜日10~1時 私達の幸せな時間」とユンスがマジックで書いているんです。切ない。。。。
韓国の恋愛映画を軽く見ていた人も見てください。多分泣きます。
そしてカン・ドンウォンという俳優のすごさを知ります。彼は顔がかっこいいだけではありません。
186cmという長身に、小さな顔、低い声、そしてこの演技力、、、この映画とは関係ありませんがお洒落さん。彼の服装をジャパンの身体を鍛えてない男子がやったらただの草食系になってしまいますが、彼は違います。
映画の中でユジョンがユンスにむかって「笑うとハンサムね」とか「泣いたらハンサムも台無し」っていうシーンがあるんですが、ほんとハンサムです。ドンウォンssiがあまりにもかっこよかったらあとからこの台詞を付け加えたんじゃないだろうか。。。
こんな目で見られたら、手錠はずして逃がしちゃうよね。