2010/01/12

PTU

【原題】 PTU
【製作】 パトリック・トン
【製作・監督】 ジョニー・トー
【脚本】 パトリック・ヤウ、アウ・キンイー
【撮影】 チェン・シウキョン
【音楽】 チュン・チーウィン
【製作国】 2003年香港映画
【出演者】 サイモン・ヤム、ラム・シュー、マギー・シュウ、ルビー・ウォン、レイモンド・ウォン
【あらすじ】
 2000年9月14日深夜。ホー隊長率いるPTUの部隊はこの日も香港の繁華街のパトロールを開始していた。
 その頃、組織犯罪課のサァ刑事は行きつけの食堂へと入っていった。その中にいたのはギャングのマーとその仲間たち。座るテーブルを巡って、ひと悶着起こりそうになるが、その場での不穏な空気は自然と静まる。その後、サァ刑事は電話での呼び出しで外へと出るが、自分の車をマーの手下が傷つけているのを見つけ、追いかけ、その手下どもが待ち伏せする現場に裏から忍び寄っていく。自分の勝利を確信したサァ刑事だったが不運にも足を滑らせ、意識を失い、逆にボコボコにされてしまう。その現場に駆けつけたのが、パトロール中のホー隊長率いるPTUの部隊だった。意識を取戻したサァ刑事は拳銃を紛失したことに気づく。重大な職務上の過失である拳銃を紛失、この危機を乗り切るためにサァ刑事はホー隊長の協力の下、夜明けまでの数時間で拳銃を探さねばならぬことになる。見つからなければ、報告義務を怠ったホー隊長にとっても重大な過失となるこの拳銃の紛失には様々な糸が絡んでいく。

 ジョニー・トー、やりますな。正直派手な映画ではないけどかなりスタイリッシュです。
いつもは名脇役のラム・シューがメインなんです。うれしいですね。そして監督はジョニー・トー。香港の黒社会を撮らせたら右に出るものはいませんからね。

 ラム・シュー演じるサァ刑事はひょんなことから拳銃をなくしてしまい、そのことをきっかけにサイモン・ヤム演じるホー隊長のPTU部隊とルビー・ウォン演じるCIDのチョン刑事、そして対立する2つの黒社会組織。これからすべて絡みあう。すべて偶然が偶然をよび、最悪な事態へを転がっていく。事件解決のタイムリミットは午前4時。。。
 この映画、すごい静かな迫力があるし緊張感もかなりある。けどね、この映画の事件のきっかけって「バナナ」です。ドリフよろしくラム・シューがバナナの皮ですっころんで拳銃をなくしたことがきっかけでえっらい事件になってしまうんです。シュールですね。。。ノワールの映画の事件のきっかけが「バナナ」だなんて・・・。ちなみにオチも「バナナ」です。
あれだけ人気のあまりない不気味な香港の夜の街をPTUの制服姿でかっこよくきめたサイモン・ヤムが走ろうとも所詮バナナですからね。さすが、ラム・シューがメインなだけありますな。
なーんて書くとあまりにも中身がなさそうな映画ですがそんなことありませんよ。
まず映像がいいですね。独特なライティングで夜の街をクリアに撮っていません。絶妙なコントラスト。。。陰影が富んでます。その映像がより場面の迫力をだしてます。
そしてこの映画、冒頭からクライマックス寸前まで香港ノワール特有の派手な撃ち合い?アクションがありません。おっと、ジョニー・トーらしくないじゃない??どうなの??と思わせておいてクライマックスに全て爆発。うまいですね~。ためてためてドーン!ですよ。
クラブで音楽を聴いていて、ずーっと地味なインストをかけて踊っている客をじらし、朝方誰もがしってる曲をかけて客のストレスを発散させフロアの盛り上がりの最高にもってくDJのようですよ。

ラム・シューや途中でてくるよくわかんない自転車にのった子供などちょいちょいシュールな笑いもあるし、かっこよくきめたサイモン・ヤムが無表情で容疑者に暴力を加える恐怖感。。。映像だけでなくこの登場人物のコントラストもすばらしい。
そしてなんといってもサイモン・ヤムが渋い!制服似合いますね~。
雨が降ってきてPTUの部隊がみなレインコートを羽織り、雨がふる夜の香港の街を走る姿がかっこよかったわ。。。

でもやっぱりラム・シューのバナナの皮ですっころぶシーンは思わずふきだすくらいお見事でした。


PTU:
「香港警察特殊機動部隊:Police Tactical Unit」の略称。
香港警察特殊機動部隊のことで、藍色のベレー帽をかぶった制服組。緊急時以外は街のパトロール任務に就いて、特定のエリアを持たず要請に応じて現場に駆けつけ、主な任務は群衆の整理や暴動の統制。


名脇役のラム・シュー。今回はメインです!でもボッコボコ。。。

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