2010/01/18

BALZAC ET LA PETITE TAILLEUSE CHINOISE


【原題】 BALZAC ET LA PETITE TAILLEUSE CHINOISE
【邦題】 小さな中国のお針子
【製作総指揮】 ベルナール・ロラン、ワン・ジャービン
【製作】 リズ・ファヨル
【監督・原作・脚本】 ダイ・シージエ
【脚本】 ナディーヌ・ペロン
【撮影】 ジャン・マリー・ドルージュ
【美術】 ツァオ・ジューピン
【音楽】 ワン・プージャン
【出演】 ジョウ・シュン、チュン・コン、リィウ・イエ、ツォン・チーチュン、ワン・ホンウェイ
【あらすじ】
時は1971年、文革の嵐が吹き荒れる中国。ブルジョア教育を受けた人々は反革命分子としてみなされた時代。青年マー(リィウ・イエ)とルオ(チュン・コン)は医者を親に持つ反革命分子の子供である。彼らは再教育のために奥深い山村へ送り込まれた。そこで待っていたのは過酷な肉体労働の日々。村長はじめ村人たちは、マーたちをブルジョア・・と呼び厳しく労働させる。だが、一方では彼らに映画や物語を話させる村人達。そんな中、2人は美しいお針子(ジョウ・シュン)に出会う。ルオはお針子に一目惚れし、ルオたちの話に瞳を輝かせるお針子のために、欧州の話を聞かせる。ある日、彼らは同じ再教育で村に来ている若者が禁書である西洋の本を大量に隠し持っていることを知り盗み出す。その本を洞窟に隠して、毎夜西洋の文学をお針子に読み聞かせはじめるのだが・・・。

実はこれ昔いちど観てるんですよ。けど最近もういちど観なおしました。当時は出演者は誰一人知らなかったし、調べようともしなかったんですが、今じゃあれ?ジョウ・シュンにリィウ・イエじゃないの!?って感じですよ。自分も成長したもんです。

さて、お話ですが実に甘酸っぱいお話です。2人の青年マー(リィウ・イエ)とルオ(チュン・コン)が再教育のため、文明から隔離された山奥に送り込まれてしまいます。それはもうびっくりするほどド田舎です。1971年だっていうのに時計をはじめてみてびっくりするほど。どんだけだよ!?って突っ込みをいれたくなるほど田舎です。そんな田舎でジョウ・シュン演じるお針子と出会ってしまうわけ。んで2人とも好きになってしまうんですよ。そりゃそうだよね。あんなド田舎でいやいや都会でもジョウ・シュンのようなカワイ子ちゃんにあってしまえばそりゃ惚れてしまうでしょう。。。彼女はそんな田舎で育ったため読み書きも出来ない。ふたりはそんなお針子に中国で禁止されている欧州の本を手に入れ読み聞かせます。押しの強いルオとお針子はいつしか仲良くなってしまうのですが、マーはそれに何をするわけでもなく、2人をそっと見守るんですよ。ルオが一時田舎をはなれ家に戻ったときもお針子を狙うわけでもなく、ずっとお針子を見守りルオにいわれたとおりにお針子に本を読み聞かせます。うーん、いいひとです。いいひとすぎますよ。
でもね、お針子に本を読み聞かせたことでお針子は新しい世界を知ってしまい、田舎を捨て都会で新しい自分の人生を生きていこうと決心するんです。
女は強いですよね。そして男は結局女よりロマンティストなんです。出て行こうとするお針子にルオは「もう本を読んであげられないぞ」ととめるんですがお針子はなんのその。「おじいちゃんをお願い。私は都会でも大丈夫よ」ですよ。いやー、たくましい。でもわかります、その気持ち。私だって東京を知ったときはそりゃーもうあこがれましたよ。東京都民より東京のこと調べて毎週遊びにいきましたからね。絶対に将来東京でくらしてやると誓ったもんです。
んでラストは現在になり、マーはその暮らした村がダムで水没することを知りフランスから中国へ向かいます。そう、マーはフランスでバイオリニストになったんです。クリエイティブになりましたね。んで中国で最高の歯科医になったルオと再開しマーがダムに消える前の村をビデオにとった映像をみてお針子の話をワイン片手にするわけですよ。

この映画、ほんとに映像がすばらしいです。村の風景は中国の山水画を見ているよう。そしてこれ、作ったのはフランス人みたいですね。なるほど、、これだけ中国の田舎の話の映画なのになーんか田舎くさくないというかそんな感じがしたんですよね。壮大なでも素朴な風景の中にマーが奏でるバイオリンの音色、お針子の来たきれいな刺繍のされた衣装、水浴びのシーン、すべてがキレイ。癒されます。ジョウ・シュンの儚さと芯の強さのもった感じもピッタリだったし、リィウ・イエもこういう見守る温かい青年をうまく演じておりました。リィウ・イエはわりと殺し屋の役のイメージがあったのですが、こっちのがいいですね。たれ目の身長186cm。奥さんはフランス人のリィウ・イエ。これから注目していこうと思います






リィウ・イエ、要チェックです。

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