2010/01/19

SLEEPLESS TOWN

【監督】 リー・チー・ガイ
【エグゼクティブ・プロデューサー】 角川歴彦
【プロデュース】 原正人
【原作】 馳星周(角川文庫刊)
【脚本】 李志毅/野沢尚
【撮影監督】 黄岳泰
【出演者】 金城武、山本未来、椎名桔平、ラン・シャン、エリック・ツァン、永澤俊矢、キャシー・チャウ、修健、鈴木清順、谷原章介、田口トモロヲ
【あらすじ】
 台湾人と日本人の半々・劉健一(金城武)は、中国系3大マフィア=“台湾・上海・北京”の勢力が入り乱れる街・新宿歌舞伎町で、綱渡りのように生きている。
 はじまりは健一のかつての相棒呉富春(椎名桔平)がこの街に帰ってきたことだった。その噂を聞きつけ、上海マフィアのボスは、自分の幹部を殺して逃亡した富春を殺すため、健一に彼を差し出すように命じた。
 そこへ「富春を売りたい」という謎の女・夏美(山本未来)が現れる。健一は彼女に自分と同じ匂いを感じた。そして、鍵を握る夏美と共に、上海と対立する台湾と北京マフィアに保険をかけ、策略を巡らすが、逆に極限状態に追い込まれる。
 ふたりに残された時間は“3日間”---出会ったときからカウントダウンは始まっていた。誰が味方で、誰が敵か?
 裏切りと謀略が渦巻く中、次第に健一と夏美の間に、ねじれた愛が芽生えていく。しかし、はじめて愛を信じようとした彼らに、運命は皮肉な選択と、非情で圧倒的な結末を差し出した・・・。

はぁ、、、なんて色気なんでしょう、金城さまは。あの顔、あの体、あの雰囲気!このとき24~25歳。いません、いませんよ~こんな25歳。今の25歳の芸能人って誰ですか?えっと調べてみますと・・松潤。彼もキレイな顔してますが(君はペットは最高)比べ物にはなりません。24歳だと、、、えなりくん。問題外。26歳になると、、小栗旬ですか。はい無理ですね。やはり金城様は別格です。・・・かっこいい。
そして山本未来。はまり役ですね。彼女もなんなんすかね、この色気。当時彼女も25歳くらいですよね?すごい、、、。山本未来のすっと凛としたイメージ、でもどこか幸薄そうな感じがこの役柄にぴったり。がっつり脱いでおられましたが相手が金城様ならなんでもやるでしょ。
マフィアのトップにエリック・ツァン。これ香港映画をみまくったおかげで彼がでていることに気づけましたよ。香港マフィア映画には彼は欠かせない存在ですが、まさか不夜城にもでていたとは!!
そしてまだそこまでうれてなかった谷原章介、実は鈴木清順など大物がでてるんですよ。そして椎名桔平。いい切れっぷりでしたね。あそこまで風貌を変えなくても別にいいんじゃないかって思いましたが。。

どこにも属さず、人を信じない。しかし子供の臓器売買は絶対やらないポリシーを持ち、甥っ子を可愛がり、子供を大事にして、女性には乱暴なことはしないように努める主人公劉健一。いやー、かっこいい。そんな劉健一を演じてる金城様がかっこいい。(結局そこ)
金城さまの日本語が上手くないとのレビューをよくみかけますが、いいんです。だって台湾と日本のハーフなのですから。それにこの映画ではこのくらいが一番雰囲気に合ってると思いますよ。
なんやかんや抗争にまきこまれて事態はどんどん大きくなって大変なことになっていくんですが、最後はなかなか感動ですよ。しかも長いんですよ、この映画。けどテンポもよく飽きずにわりとあっという間に観ることができましたね。ただマフィア物になれてないひとには勢力分布図がわかりづらいかも。名前も覚えづらいしね。上海語、台湾語、北京語、日本語が飛び交ってるし。2回みればマフィアなれしてない人でも理解できます。仮に理解できなくても金城様の色気をみるだけで充分価値ありです。
当時金城様25歳、こんな25歳いますか!さすがスター、色気が溢れております。
すみません、これ映画のエンディングです。ほかにありませんでした。。。
でも映画の雰囲気(金城武のかっこよさ)は伝わると思います。

Sevendays

【原題】 Sevendays 세븐데이즈
【邦題】 セブンデイズ
【監督・脚色】 ウォン・シニョン
【製作総指揮】 キム・サンイル
【製作】 イ・ソヨル
【脚本】 ユン・ジェグ
【撮影】 チェ・ヨンファン
【製作国】 2007年韓国映画
【出演者】 キム・ユンジン、パク・ヒスン、キム・ミスク、チャン・ハンソン、チェ・ミョンス、チョン・ドンファン
【あらすじ】
史上最悪の交渉劇…。制限された時間は7日間。拉致された娘と殺人鬼を交換しろ!
月曜日の子供は愛らしく、火曜日の子供はおとなしく、水曜日の子供は憂いが多く、そして…、木曜日の子供は遠くに離れていく…
勝率100%の冷血弁護士ジヨン(キム・ユンジン)は、優れた実力で注目を浴びるが、一人娘の前では0点ママ。母親の役割を果す為に娘の運動会に参加するが、一瞬の間に娘が拉致されてしまう。そして、かかって来た一本の電話。子供を助けたいなら、7日以内に殺人犯チョン・チョルジン(チェ・ミョンス)を無罪釈放しろ!7日間という制限された期間の中で、完璧な殺人犯チョン・チョルジンを釈放させる為、ジヨンの奮闘が始まる。

面白かったですね~。ストーリー・テンポ・映像すべてよし。すごい面白い!!!ってほどではありませんがなかなか見ごたえのある映画でした。正直出演者は誰も知りませんが、あ!1人知ってた!最初の法廷のシーンで無罪になった人!この人は名脇役ですね、ちょいちょいいろんな映画にでてきてます。私がみた作品では「オールドボーイ」のマンションの屋上から自殺する人、「私の頭の中の消しゴム」のタバコの火をもらう浮浪者などなど・・・。えっとそうそう出演者はその他誰も知りませんでしたが、とりあえずTSUTAYADISCASのアジアのコーナーで最新のものにあったので借りてみました。あらすじも私好みだったのでね。間違っていませんでした。

勝率100%の弁護士ジヨン(キム・ユンジン)は運動会の最中に娘を誘拐されてしまう。ってか確かに隙をついたのだろうが、先生。。。しっかり生徒を見ていましょうよ。。。そんなさらっと誘拐されちゃったら・・ねぇ。って突っ込みはおいといて、犯人から娘と引き換えに死刑を求刑されるであろう犯人を無罪にしろと連絡を受け、友人の刑事キム・ソンヨルとその事件を調べ、同時に誘拐犯を探し始めるわけですよ。するとでるわでるわあやしいことが。。。調べれば調べるほどただの事件ではないことがわかってくる。そう、こういう話ではお約束なお偉いさんが絡んでるわけですよ。
んー、この話のレビューはネタバレしないように書くのは難しい。。。
この話、もうどんでん返しがいく度なくあります。そして登場人物全員が怪しい。被害者の母親、ジヨンのライバルの検事、最初に無罪になったヤクザの親分、被害者の恋人、元彼、現在つかまっている犯人、そしてその妻等などみーんな怪しい!!こういう作品ばかり観ていると登場人物を無駄に疑ってしまうんですよ。もっと素直に観たいです。
ラストのシーンは「え?!マジ?!」という感じでしたよ。そうきたかと。キーワードは母子愛でしょうかね。これ以上はここでは書きません。ぜひ観てください。

映像もなかなかよかったですよ。かっこいい映像にしようとしたんでしょうか、ちょっとやりすぎかなという部分もありましたが。。。
そしてこの女優さん・キム・ユンジンさんですか、いい女優さんですね~。韓国女優特有の高い声、ちょっとブリッとした感じがまったくありません。サバサバしてて強くてかっこいい女性のイメージ。日本でいう真矢みきさんのような感じ。声も低くてさっぱりとした美人さんです。調べてみると彼女はなんとあの有名なドラマ「LOST」に全シーズンでているではありませんか!実は少しだけみたことあるのですが、はいはい、でてましたね。英語が話せないふりして実はだんなに内緒で勉強して英語が話せる韓国人役。しかも10歳のころにアメリカに移住しております。現在もハワイにお住まいだとか。どうりで雰囲気が違うんですね。タンクトップが似合ってました。ミス・タンクトップ!
あと、この子役の子、かわいいですね。そして演技もすばらしいです。なんでこんな小さい子が演技できるんだろう。。。私このくらいの時猫に引っかかれておお泣きしてましたよ・・・。
走る走る!上品な美人さん。活動場所は米国です。

2010/01/18

BALZAC ET LA PETITE TAILLEUSE CHINOISE


【原題】 BALZAC ET LA PETITE TAILLEUSE CHINOISE
【邦題】 小さな中国のお針子
【製作総指揮】 ベルナール・ロラン、ワン・ジャービン
【製作】 リズ・ファヨル
【監督・原作・脚本】 ダイ・シージエ
【脚本】 ナディーヌ・ペロン
【撮影】 ジャン・マリー・ドルージュ
【美術】 ツァオ・ジューピン
【音楽】 ワン・プージャン
【出演】 ジョウ・シュン、チュン・コン、リィウ・イエ、ツォン・チーチュン、ワン・ホンウェイ
【あらすじ】
時は1971年、文革の嵐が吹き荒れる中国。ブルジョア教育を受けた人々は反革命分子としてみなされた時代。青年マー(リィウ・イエ)とルオ(チュン・コン)は医者を親に持つ反革命分子の子供である。彼らは再教育のために奥深い山村へ送り込まれた。そこで待っていたのは過酷な肉体労働の日々。村長はじめ村人たちは、マーたちをブルジョア・・と呼び厳しく労働させる。だが、一方では彼らに映画や物語を話させる村人達。そんな中、2人は美しいお針子(ジョウ・シュン)に出会う。ルオはお針子に一目惚れし、ルオたちの話に瞳を輝かせるお針子のために、欧州の話を聞かせる。ある日、彼らは同じ再教育で村に来ている若者が禁書である西洋の本を大量に隠し持っていることを知り盗み出す。その本を洞窟に隠して、毎夜西洋の文学をお針子に読み聞かせはじめるのだが・・・。

実はこれ昔いちど観てるんですよ。けど最近もういちど観なおしました。当時は出演者は誰一人知らなかったし、調べようともしなかったんですが、今じゃあれ?ジョウ・シュンにリィウ・イエじゃないの!?って感じですよ。自分も成長したもんです。

さて、お話ですが実に甘酸っぱいお話です。2人の青年マー(リィウ・イエ)とルオ(チュン・コン)が再教育のため、文明から隔離された山奥に送り込まれてしまいます。それはもうびっくりするほどド田舎です。1971年だっていうのに時計をはじめてみてびっくりするほど。どんだけだよ!?って突っ込みをいれたくなるほど田舎です。そんな田舎でジョウ・シュン演じるお針子と出会ってしまうわけ。んで2人とも好きになってしまうんですよ。そりゃそうだよね。あんなド田舎でいやいや都会でもジョウ・シュンのようなカワイ子ちゃんにあってしまえばそりゃ惚れてしまうでしょう。。。彼女はそんな田舎で育ったため読み書きも出来ない。ふたりはそんなお針子に中国で禁止されている欧州の本を手に入れ読み聞かせます。押しの強いルオとお針子はいつしか仲良くなってしまうのですが、マーはそれに何をするわけでもなく、2人をそっと見守るんですよ。ルオが一時田舎をはなれ家に戻ったときもお針子を狙うわけでもなく、ずっとお針子を見守りルオにいわれたとおりにお針子に本を読み聞かせます。うーん、いいひとです。いいひとすぎますよ。
でもね、お針子に本を読み聞かせたことでお針子は新しい世界を知ってしまい、田舎を捨て都会で新しい自分の人生を生きていこうと決心するんです。
女は強いですよね。そして男は結局女よりロマンティストなんです。出て行こうとするお針子にルオは「もう本を読んであげられないぞ」ととめるんですがお針子はなんのその。「おじいちゃんをお願い。私は都会でも大丈夫よ」ですよ。いやー、たくましい。でもわかります、その気持ち。私だって東京を知ったときはそりゃーもうあこがれましたよ。東京都民より東京のこと調べて毎週遊びにいきましたからね。絶対に将来東京でくらしてやると誓ったもんです。
んでラストは現在になり、マーはその暮らした村がダムで水没することを知りフランスから中国へ向かいます。そう、マーはフランスでバイオリニストになったんです。クリエイティブになりましたね。んで中国で最高の歯科医になったルオと再開しマーがダムに消える前の村をビデオにとった映像をみてお針子の話をワイン片手にするわけですよ。

この映画、ほんとに映像がすばらしいです。村の風景は中国の山水画を見ているよう。そしてこれ、作ったのはフランス人みたいですね。なるほど、、これだけ中国の田舎の話の映画なのになーんか田舎くさくないというかそんな感じがしたんですよね。壮大なでも素朴な風景の中にマーが奏でるバイオリンの音色、お針子の来たきれいな刺繍のされた衣装、水浴びのシーン、すべてがキレイ。癒されます。ジョウ・シュンの儚さと芯の強さのもった感じもピッタリだったし、リィウ・イエもこういう見守る温かい青年をうまく演じておりました。リィウ・イエはわりと殺し屋の役のイメージがあったのですが、こっちのがいいですね。たれ目の身長186cm。奥さんはフランス人のリィウ・イエ。これから注目していこうと思います






リィウ・イエ、要チェックです。

2010/01/15

Sympathy For Lady Vengeance


【原題】 親切なクムジャさん 친절한 금자씨
【英語題】 Sympathy For Lady Vengeance
【製作年】 2005年
【製作国】  韓国
【監督】 パク・チャヌク
【脚 本】 チョン・ソギョン,パク・チャヌク
【撮 影】 チョン・ジョンフン
【出演】 イ・ヨンエ、チェ・ミンシク、オ・グァンロク、オ・ダルス
【あらすじ】
 サンタクロースの衣装を着た聖歌隊と伝道師が、"親切なクムジャさん"と呼ばれている女性を待っている。キョンジュ刑務所から出所した女たちは、待ち構えていた家族と抱き合ったり、「心を白くして二度と刑務所に戻らないように」豆腐を食べている。そんな中を、冬だというのに水玉のワンピース姿の女性が無表情で歩いてくる。
イ・クムジャ。20歳のときに「ウォンモ君誘拐事件」の犯人として逮捕され、その美貌と残忍な手口により世間を騒然とさせた。13年の刑期を終えた彼女は、逮捕された時と同じワンピースを着て出てきたのだった。刑務所にいた時からクムジャを支援してきた伝道師が差し出した豆腐の皿を、彼女は片手でひっくり返し、「余計なお世話です」とぴしゃりと言って、立ち去っていく。
 刑務所の中で、クムジャは、他の囚人にいじめられた新入りの代わりに復讐を施したり、老いた元北朝鮮スパイの世話をして、この世の天使のように崇められ、"親切なクムジャさん"と呼ばれるようになったのだった。その顔からは光が放たれていたという。だが、出所した彼女からは、刑務所にいたときの聖母のような微笑みは消えていた。13年前から心に決めていた作戦を開始する時が来たのだ。

パク・チャヌク監督の復讐3部作の最後の作品。っていっても続いているわけではありませんが。
なんとこの作品、主役がイ・ヨンエです。ってじつはまだよく知りませんがあの「チャングムの誓い」の主人公ですよ。あの清純なイメージの女優さんがうってかわって復讐ですよ。他の作品はみたことないですが、チャングムのイメージの女優さんだったので最初は気づきませんでした。

さて、物語の感想ですが前作の「Old boy」ほどの迫力・スピード感・衝撃はありませんが、これはこれでシュールな怖さがありましたね。無実の罪で刑務所にはいった主人公・クムジャさん。
所内ではみんなから「親切なクムジャさん」と呼ばれてるですが、そこがまたシュール。。なぜクムジャさんはみんなに親切にしていたかというと、すべては自分の復讐のため。クムジャさんの親切は所内のみんなの世話をしたりこっそり変わりに仕返しをして自分に味方をつけるため。世話をするときも仕返しをするときも常に笑顔をたやさない。ってか仕返しして一人殺しちゃうんだけどそんときも笑顔だからね。こわ!
刑期をおえ出所のときには今までの笑顔はなく、やっと彼女の本当の復讐がスタートします。刑務所ないでたくさんの協力者を味方につけたクムジャさん。どんな復讐が始まるのかドキドキしましたよ。まー、最後の復讐のシーンはやっぱりパク・ヌチャク監督。残酷ですね。そして狂ってる・・・。
クムジャさんは愛していた男の罪をかぶって(かぶらされて)逮捕された。誘拐犯としてね。最後の復讐はその男が他にも誘拐して殺害された子供の家族を呼んでそのその男にみんなで復讐するというわけ。前作「Old boy」で復讐する側だったチェ・ミンシクが今回は復讐される側。またいい演技してますよ。今回犬にもなってるしね(笑)。

この映画、演技もストーリーはもちろんのこと、やっぱり映像がいいですね。ちょっぴりファンタジーもはいった演出もさることながら、クムジャさんの善と悪のコントラストが映像でもはっきりと表現されてます。お祈りをしているときはほんとに聖女のようなクムジャさんだけど復讐のシーンではうってかわってハードボイルドな雰囲気をだしてます。また部屋のインテリアもいいですね。どきつい赤と黒の壁紙にサイケなクムジャさんの衣装がトゥーマッチなようでかっこいい。

あとこの映画のみどころはいままでの復讐3部作にでていた俳優たちがこっそりカメオ出演しているところも面白いです。
クムジャさんを拉致しようとする2人は「復讐者に憐れみを」のソン・ガンホとシン・ハギュン。あとレビューして知ったのですが、クムジャさんが出所するときに迎えに来てたおかっぱ頭のトリッキーな宣教師って「Old boy」でユ・ジテの金髪の部下を演じた人だったんですね。あの映画では無口で不気味な恐怖感をだしていたのに、今回はかなり笑えるキャラでしたよ。そのほかまだまだ出演してます。
ところどころにシュールな笑いが盛りだくさんのこの映画。いや、笑えないんだけどね。








 このシーンでほんと狂ってる映画だと思いました。。。

INITIAL D


【原題】 INITIAL D
【邦題】 頭文字[イニシャル]D THE MOVIE
【製作年】 2005年
【製作国】 香港
【監督】 アンドリュー・ラウ 、 アラン・マック
【脚本】 フェリックス・チョン
【原作】 しげの秀一
【出演】 ジェイ・チョウ 、 鈴木杏 、 エディソン・チャン 、 ショーン・ユー 、 アンソニー・ウォン 、 チャップマン・トウ 、 ジョーダン・チャン
【あらすじ】
“藤原とうふ店”を営む父・文太(アンソニー・ウォン)と2人暮らしをする、藤原拓海(ジェイ・チョウ)。友人の樹(チャップマン・トウ)と一緒にガソリンスタンドでアルバイトをし、自分の車を買うことを夢みる普通の高校生である彼だが、毎日水に浸された豆腐を、父のハチロク(AE86)に乗せ、それを迅速に、そして正確に配達することで、完璧なドライビング・テクニックをモノにしていた。それもそのはず。父・文太は過去に、秋名最速の走り屋と言われた伝説の男。つまり、拓海は知らぬ間に父の英才教育を受けていたのだ。ある日、チーム「妙義山ナイトキッズ」のリーダー、中里毅(ショーン・ユー)が拓海と樹が働く、スタンドにやってきた。中里の挑戦を威勢良く受けた樹は、拓海を助手席に乗せてバトルに挑むが、あえなく惨敗。だが、その晩、中里は峠で信じられないドライビング・テクニックを見せるハチロクに遭遇する。
 一方、拓海は、幼なじみで高校のアイドル的存在であるなつき(鈴木杏)から海へデートに誘われ、喜びを隠し切れない。だが、なつきはメルセデス・ベンツに乗った謎の男性と援助交際しているという、拓海には見せない別の顔を持っていた。
 そんなとき、チーム「赤城レッドサンズ」のリーダー。高橋涼介(エディソン・チャン)が文太の前に現れ、彼にバトルを申し込む。文太は、なつきとのデートにハチロクを貸し出すことと引き換えに、拓海にバトルを受けさせる。涼介の代わりに勝負を買って出た中里のR32を相手に、堂々の勝利を収める拓海のハチロク。拓海の才能に惚れ込んだ涼介は彼にバトルを挑むが、拓海にはそのような興味はなかった。突然、自分を見る目が変わった樹に、峠でドライビング・テクニックを教える拓海。そこで、チーム「エンペラー」のナンバー2、岩城清次(リュウ・ケンホン)にバトルを挑まれるが、拓海のテクニックにかなうワケがなかった。だが、これを機に岩城はリベンジに燃え、仲間でリーダーである須藤京一(ジョーダン・チャン)を雇い、ふたたび拓海に勝負を挑む。須藤とのバトルで、初めての敗北感を味わった拓海。文太の手によって、秘かにチューンアップされたハチロクで、彼は京一にリベンジを挑むことができるのか? そして、もうひとつの顔を知ってしまった、なつきとの初恋の行方は? 拓海、高校生活最後の夏がクライマックスを迎える!!

これは日本のマンガを香港で映画化したものですね。
私の大好きなアンドリュー・ラウ、アラン・マック監督にフェリックス・チョン脚本での制作。いろいろレビューを読んでいると賛否両論ですね。しかたありません、「軍鶏」同様マンガを映画にするとずれは生じます。でも大体の人はレースのシーンはすごいとかいてありますね。たしかに、、映像はやっぱりキレイです。なんてったってアンドリュー・ラウ監督ですからね。
ちなみに私は原作を読んでいないので純粋に楽しめましたよ。別にレース物には一切興味ないけど映像はもちろんのことストーリーのテンポもよかったし、レースシーンは迫力あったし(これほんとにちゃんと運転してるんだってね)ま、なんといってもショーン・ユーがでているからですが。

これ、日本が舞台だけど出演者は杏ちゃん以外みんな香港・台湾人です。日本で映画公開されたときは日本語吹き替えで上映されてたみたいですね。ってことは杏ちゃん以外全部吹き替えでしょ?ダメ、そんなの観るきしない。。私はDVDでみたのでもちろん広東語verで観ました。なので杏ちゃんに違和感のあったものの、まー日本の、しかも田舎が舞台で広東語ってのも変といえば変ですが、そこまで気にならなかったかな。
個人的には杏ちゃんにはがんばって広東語で演技をしていただきたかった。。第2の常盤貴子のようにね。
主人公のお父さん役にアンソニー・ウォンですよ。豪華ですね~。わりと渋い役が多い彼ですが今回はダメ親父を演じてましたね。でもイギリス人とのハーフのため、やはり凛々しさは隠し切れませんでしたね。エディソンがこの映画ではすごいイイやつなんですよ。それがなんか変な感じ。彼はおさわがせキャラですからね。チャップマン・トーもまた変な髪形しているし。
主人公のジェイ・チョウですか?彼は「王妃の紋章」ではじめて知ったのですがかなりむこうでは人気みたいですね。でも顔が地味なので興味がありません。
で、やっぱりショーン・ユーです。よくそこらのチーマーが着ているようなジャージをおめしになっておりますがやっぱりかっこいいです。ヒゲも似合ってますね。さすがです。あー、かっこいい。

ちなみに杏ちゃんはアジアのスターと共演するとが多いですね。
「リターナー」ではアジアのスター・金城武。
そしてこの「頭文字D」でジェイ・チョウ、エディソン・チャン、ショーン・ユー。
NHKのスペシャルドラマ「遙かなる絆」でグレゴリー・ウォンとも共演しております。
このドラマではちゃんと北京語を話していましたよ。がんばっていただきたいですね。


 ヤンキーみたいなジャージを着てもイケメンはイケメン。イケメンに服は関係ありません。


2010/01/12

PTU

【原題】 PTU
【製作】 パトリック・トン
【製作・監督】 ジョニー・トー
【脚本】 パトリック・ヤウ、アウ・キンイー
【撮影】 チェン・シウキョン
【音楽】 チュン・チーウィン
【製作国】 2003年香港映画
【出演者】 サイモン・ヤム、ラム・シュー、マギー・シュウ、ルビー・ウォン、レイモンド・ウォン
【あらすじ】
 2000年9月14日深夜。ホー隊長率いるPTUの部隊はこの日も香港の繁華街のパトロールを開始していた。
 その頃、組織犯罪課のサァ刑事は行きつけの食堂へと入っていった。その中にいたのはギャングのマーとその仲間たち。座るテーブルを巡って、ひと悶着起こりそうになるが、その場での不穏な空気は自然と静まる。その後、サァ刑事は電話での呼び出しで外へと出るが、自分の車をマーの手下が傷つけているのを見つけ、追いかけ、その手下どもが待ち伏せする現場に裏から忍び寄っていく。自分の勝利を確信したサァ刑事だったが不運にも足を滑らせ、意識を失い、逆にボコボコにされてしまう。その現場に駆けつけたのが、パトロール中のホー隊長率いるPTUの部隊だった。意識を取戻したサァ刑事は拳銃を紛失したことに気づく。重大な職務上の過失である拳銃を紛失、この危機を乗り切るためにサァ刑事はホー隊長の協力の下、夜明けまでの数時間で拳銃を探さねばならぬことになる。見つからなければ、報告義務を怠ったホー隊長にとっても重大な過失となるこの拳銃の紛失には様々な糸が絡んでいく。

 ジョニー・トー、やりますな。正直派手な映画ではないけどかなりスタイリッシュです。
いつもは名脇役のラム・シューがメインなんです。うれしいですね。そして監督はジョニー・トー。香港の黒社会を撮らせたら右に出るものはいませんからね。

 ラム・シュー演じるサァ刑事はひょんなことから拳銃をなくしてしまい、そのことをきっかけにサイモン・ヤム演じるホー隊長のPTU部隊とルビー・ウォン演じるCIDのチョン刑事、そして対立する2つの黒社会組織。これからすべて絡みあう。すべて偶然が偶然をよび、最悪な事態へを転がっていく。事件解決のタイムリミットは午前4時。。。
 この映画、すごい静かな迫力があるし緊張感もかなりある。けどね、この映画の事件のきっかけって「バナナ」です。ドリフよろしくラム・シューがバナナの皮ですっころんで拳銃をなくしたことがきっかけでえっらい事件になってしまうんです。シュールですね。。。ノワールの映画の事件のきっかけが「バナナ」だなんて・・・。ちなみにオチも「バナナ」です。
あれだけ人気のあまりない不気味な香港の夜の街をPTUの制服姿でかっこよくきめたサイモン・ヤムが走ろうとも所詮バナナですからね。さすが、ラム・シューがメインなだけありますな。
なーんて書くとあまりにも中身がなさそうな映画ですがそんなことありませんよ。
まず映像がいいですね。独特なライティングで夜の街をクリアに撮っていません。絶妙なコントラスト。。。陰影が富んでます。その映像がより場面の迫力をだしてます。
そしてこの映画、冒頭からクライマックス寸前まで香港ノワール特有の派手な撃ち合い?アクションがありません。おっと、ジョニー・トーらしくないじゃない??どうなの??と思わせておいてクライマックスに全て爆発。うまいですね~。ためてためてドーン!ですよ。
クラブで音楽を聴いていて、ずーっと地味なインストをかけて踊っている客をじらし、朝方誰もがしってる曲をかけて客のストレスを発散させフロアの盛り上がりの最高にもってくDJのようですよ。

ラム・シューや途中でてくるよくわかんない自転車にのった子供などちょいちょいシュールな笑いもあるし、かっこよくきめたサイモン・ヤムが無表情で容疑者に暴力を加える恐怖感。。。映像だけでなくこの登場人物のコントラストもすばらしい。
そしてなんといってもサイモン・ヤムが渋い!制服似合いますね~。
雨が降ってきてPTUの部隊がみなレインコートを羽織り、雨がふる夜の香港の街を走る姿がかっこよかったわ。。。

でもやっぱりラム・シューのバナナの皮ですっころぶシーンは思わずふきだすくらいお見事でした。


PTU:
「香港警察特殊機動部隊:Police Tactical Unit」の略称。
香港警察特殊機動部隊のことで、藍色のベレー帽をかぶった制服組。緊急時以外は街のパトロール任務に就いて、特定のエリアを持たず要請に応じて現場に駆けつけ、主な任務は群衆の整理や暴動の統制。


名脇役のラム・シュー。今回はメインです!でもボッコボコ。。。

2010/01/11

MAY 18



【原題】 華麗なる休暇 화려한 휴가
【邦題】 光州5.18
【製作年】 2007年
【製作国】 韓国
【監督】 キム・ジフン
【出演者】 キム・サンギョン 、 イ・ヨウォン 、 イ・ジュンギ 、 アン・ソンギ
【あらすじ】
1980年5月18日、韓国・光州市。この町で25000余名の戒厳軍が民主化を要求する学生、市民らと衝突した“光州事件”…タクシー運転手の青年ミヌは早くに両親を失い、たった一人の弟ジヌと暮らしていた。父親代わりでもあるミヌは、弟に格別の愛情を寄せていた。そして、ミヌが想いを寄せる看護師のシネ。彼女は母親を亡くし、父親フンスとの二人暮らしだった。彼らの平和な日常は、その日を境に突如として襲った嵐のような戦禍にまみえていく。ミヌは、ただその現実が夢であることを願った。軍の銃弾に倒れた弟のジヌ。かけがえのない愛と命が次々と犠牲になっていく。ミヌは、ただ愛するものを守りたい一心で戦いを挑んでいくのだが…。

これは実際に韓国で起きた事件を映画化したもの。
こんな残酷な悲しい事件が実際に隣の国・韓国で起きていたことすら知りませんでした。1980年なんてついこの前じゃないですか。もう生まれてましたよ、私。。。
あまりこの事件の知識がないまま映画を観ました。実際に起きた事件ということしか頭になかったので、この映画を観ているとき「ほんとにこんな事件が?!」と信じられない気持ちでしたね。

キム・サンギョン演じる兄ミヌとイ・ジュンギ演じる弟ジヌのどこにでもいる普通の兄弟。イ・ヨウォン演じるジヌと同じ教会へ通う看護婦シネ。シネのことが好きなミヌは不器用ながらも一生懸命彼女にアピールし、それを応援するジヌ。ミヌと同じ職場のおしゃべりなタクシー運転手、態度の悪い客、ジヌの同級生、、、普通の日々がこの事件をきっかけに壊れてしまうんです。
鎮圧部隊の無差別な鎮圧によりミヌはジヌを失う。しかも自分の目の前で弟が撃たれてしまう。
弟の死をきっかけにミヌは戦うことを決意。愛する人をこれ以上失いたくないと、アン・ソンギ演じる元軍人フンスを先頭に市民対軍部の戦いが始まる。。。

悲しすぎる。もう号泣でした。歳をとって涙もろくなっているせいもあると思いますが、それだけではないはず。このありえない軍部の理不尽な攻撃、愛する人を守るため戦う姿、銃弾に倒れる市民たち。。。
ではここで号泣ポイント。
その1、鎮圧部隊からの一斉射撃によりジヌが撃たれてしまい、助けに行き泣きながらジヌを抱きかかえるミヌの姿。目の前で弟が撃たれてしまう。。。早くに両親をなくし、たった一人の大事な弟が目の前で命を落とす・・・。銃弾が飛び交っていることも気にせず弟を抱きかかえ号泣する姿には涙がでました。(まだ物語前半)
その2、戦うことを決意し全羅南道庁に立てこもった市民軍。フンスは自分の娘シネのことをミヌが好きなことを知り、ミヌをここから出しシネのことを託す。それを聞いたミヌは反対したがフンスの言葉を受け入れ、シネと一緒に道庁から去る。父親との別れを知ったシネが「アボジ(おとうさん)・・・アボジ・・」と泣きながら無線で伝える姿はもう号泣。
その3、その2のすぐあと、一緒に道庁から去ったミヌだったがやはり一緒に戦わず離れることが出来ず、お父さんを守るとシネと別れ道庁へ戻るシーン。まだ平和だったころ、シネに「毎朝迎えに行きます」と約束をしたミヌ。シネは泣きながら、戻るミヌに「明日迎えに来てくれますよね?」と叫び、「もちろん」と死を覚悟しているミヌがシネにいうところ。。。もうダメ。。。
その4、とうとう鎮圧部隊と市民軍が激突。圧倒的な武力と人数で鎮圧にかかる軍部にはやはり勝てず、市民軍がどんどん殺されていく。みな無線で連絡をとりあっているんだけど、死にそうな市民たちが自分たちがここにいた証拠、ここで戦ったこと、暴徒と政府からよばれているがそうではないと自分の名前を無線で話すところは胸が詰まる思いでした。
その5、まだまだあります。フンスとミヌは一緒に戦っていて、ある場所までいく。するとフンスはミヌを外に出し、鍵をかけてしまう。ミヌを最後の最後で逃がし生きてシネを頼むとお願いする。そんなフンスにミヌは「アボジ(お父さん)」と叫ぶシーン。はぁ、フンス演じるアン・ソンギがもうかっこよくてかっこよくて、、、。
その6、ミヌを逃がした後、戦いに戻るフンス。途中、元自分の部下に出くわす。お互い撃つことをせず逃がすのだが、フンスを見つけたほかの兵士に撃たれてしまうところ。。。
アン・ソンギ、、、好きなので余計に悲しいです。もう涙が止まりません。。。
その7、逃げてたミヌだが途中、見つかってしまい多くの兵士たちに囲まれる。黙って投降すれば助けてやると、銃をおろせ暴徒!と言われる。理不尽に国から攻撃され、自分たちを守るために戦ってきたのに「暴徒」と呼ばれ、「暴徒ではない!」と叫びながら兵士たちにむかい銃を向けるミヌ。そんなミヌに多くの兵士がいっせいに攻撃し、ミヌが銃弾に倒れるところ。。。
悲しすぎる。そして怒りがこみ上げました。
その8、シネが車にのり街の中を「戒厳部隊が攻めてきます。市民の皆さん、私たちを助けてください」「私たちの仲間が戦っています。私たちを忘れないでください」と叫ぶシーン。
シネはもう父親もミヌも一緒に戦ってきた仲間が死んでしまうことをわかっていたのでしょう。どんな思いで訴えたのでしょうか。。。
ラスト、結婚式のシーン。これはミヌとシネの結婚式。え?!結婚してないでしょ?死んだでしょ?
そうでなくて、このシーンはこんな事件がなかったらこんな未来があっただろうっていうことなんです。ジヌも生きていてフンスも笑顔で娘と腕を組んでいる。もちろんミヌも最高の笑みでシネの隣にいる。周りにはこの戦いで命をおとした市民たち。ただ1人シネだけが笑っていない。これはシネが自分だけ生き残ってしまったという罪悪感からの表情。

かなり長くなってしまいましたが、ほんとこの映画はみていただきたい。暴行シーンや撃たれるシーンは目をつむりたくなるかもしれないけど、こんな事実がつい最近となりの国で起こっていたということを知ってほしいですね。韓国という国を買い物や観光、スターだけでなくこういうこともあったんだということをぜひ認識してほしいです。
私もこの映画をみるまでしらなかったので、見終わった後いろいろ調べました。
するとこの映画はかなり忠実につくられているみたいです。もちろんフィクションもありますが。
映画の中で父親を亡くし遺影を抱えて泣いてる子供シーンがあるのですが、これは実際のニュースでも同じ子供が遺影を抱えてるシーンがあります。
また、シネが車で街中を「戒厳部隊が攻めてきます。市民の皆さん、私たちを助けてください」「私たちの仲間が戦っています。私たちを忘れないでください」と叫ぶシーン。これも本当に訴えていた女性が2人いたそうです。
私はこの映画がいいたかったことはもちろん、韓国にこういうタブーな事件があったということ(※実際この攻撃が始まったとき、政府は光州地区の電話線を断ち、外部との連絡を一切とれないようにし、マスコミも軍部で統制し事実を流さないよにしていた)を韓国国民、世界の人たちに知ってもらうこと、あとは女性が訴えていた「私たちを忘れないでください」ということではないのだろうかと思います。

ちなみに原題の【華麗なる休日】とは軍部のこの作戦のコードネーム。ありえない、、こんな戦いが“華麗なる休日”だなんて。。。

光州事件の詳しい内容はこちらから









 このような事件がなければこの写真のような未来があったと思うと胸がつまります。

アン・ソンギが重機関銃を乱射しているところ。かっけー!!