2010/05/17

Vengeance

【原題】 Vengeance 復仇
【邦題】 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を
【監督】 ジョニー・トー
【製作】 ミシェル・ペタン、ロラン・ペタン、ピーター・ラム、ジョン・チョン、ワイ・カーファイ、ジョニー・トー
【脚本】 ワイ・カーファイ
【撮影】 チェン・シウチョン
【美術】 シルバー・チャン
【編集】 デビッド・リチャードソン
【音楽】 ロー・ターヨウ
【製作国】 2009年香港・フランス合作映画
【出演者】 ジョニー・アリディ、シルビー・テステュー、アンソニー・ウォン、ラム・カートン、ラム・シュー、サイモン・ヤム
【あらすじ】
マカオの高級住宅地で、家族4人が何者かに襲われるという事件が発生。それを聞きつけ、フランスから初老の男・コステロ(ジョニー・アリディ)がやってくる。病院を訪れた彼の前には家族で唯一、死を免れながらも全身包帯を巻かれた重体の愛娘・アイリーン(シルヴィー・テステュー)の姿があった。コステロは、娘の家族を殺害した犯人は3人で、そのうちの一人の耳を彼女が銃で打ち抜いたことを知る。地元警察のウォン刑事(マギー・シュウ)から見せられた現場写真を盗み出したコステロは、そこに“Vengeance(復讐)”と書くのだった。そんな中、クワイ(アンソニー・ウォン)、チュウ(ラム・カートン)、フェイロク(ラム・シュ)の3人は、組織のボスであるファン(サイモン・ヤム)から殺しの依頼を受けていた。彼らはホテルの一室でターゲットを仕留めるが、偶然、廊下ですれ違ったコステロに、フェイロクが手にしていた銃を見られてしまう。やがて、ホテルで男女の死体が発見され、ウォン刑事はコステロにマジックミラー越しに並ぶ容疑者から真犯人を見つけるよう依頼する。その中にチュウの姿を見つけたコステロは「ここにはいない」と証言、釈放されたチュウを尾行する。そして彼と合流したクワイらに「仕事を頼みたい」と告げるのだった。アイリーンの自宅を訪れたコステロたちは、事件の様子と犯人たちの特徴、使用された銃の種類を見極め、その後、銃の調達や改造を請け負うトニー(フォン・ツイファン)から、香港の海鮮街で店を営む男の情報を聞きつける。香港に向かった4人は、耳を負傷した男たちを探し出し、夜の森林を舞台に激しい銃撃戦を展開、肩を負傷したコステロは、自らの秘密をクワイたちに明かす。彼は20年前まで殺し屋をしており、過去の銃撃戦により脳に銃弾が残っていた。そのため、定期的に記憶をなくしてしまう難病を患い、自分がいつまで生きることができるのか全くわからないという……。

公開初日に見に行きましたよ。ジョニー・トー監督の最新作を!
新宿という土地柄か、中国の方もいらっしゃいましたし、客層はほぼ男性。むしろおっさん率高し。
女子2人で見に来てる人は私たちくらいだったような・・・。しかし、さすがトー監督。いままでアジア映画を見に行ったときはガラガラでギリギリに行ってもわりといい席でみられたのですが、今回は別。15分くらい前についたのですがすでに前から2列目くらいしかいあてないとのこと。結果満席。ちょっとびっくりしました。

感想はというと、、、、面白かったですね。やっぱり映画館の大きなスクリーンで見ると迫力も違いますし、冒頭の銃声音でビクっとしましたから。
フランスとの合作ということですが、内容は今までのトー監督作品の中では一番わかりやすかったのでは。“復讐”という大きなテーマにそっていたからかでしょうかね。
マカオに住む一家の惨殺事件を機にフランスからやって来た元殺し屋のコステロが、瀕死の娘のために復讐の鬼と化す。偶然知り合った3人組の殺し屋と力を合わせて。

ほんと男ですね~。一度請けた仕事はどんな理由があれど最後まで引き受ける。わずかな時間で築き上げた友情を大事に、仲間を見捨てず戦いに挑む姿はしびれます。
そしてこの映画も銃撃戦がすばらしい。
家族を襲った3人との夜の森の中での銃撃戦。月の明かりを頼りに相手をねらう。暗闇の中に響き渡る銃声音。ほんと、トー監督はこういったセンスがすばらしいですね。
あと、ラストでの空き地での銃撃戦。ちょっと運動会の大玉ころがしを思い出して笑いそうになりましたが、四方から敵に囲まれながらもありったけの銃を撃ちまくる。そんな中でもクールでいつづける3人。タバコを吸いながら銃をかまえる姿はめちゃめちゃかっこいい!
そしてこの映画がただの復讐劇でおわらないのが、コステロのバックグラウンド。ただ娘一家の復讐ということではなく、彼自身が昔打たれた銃弾のせいで記憶がどんどん失われていってしまうということ。のこされた時間は少ない。4人でいるときも時々記憶を失い、3人がわからなくなってしまう。けれど3人はコステロを見捨てたりはせず、一緒に彼の復讐のために戦うんですよ。はぁ、、かっこいい。男の友情をかかせたらジョニー・トー監督の右に出るものはいませんね。
 
役者もジョニー・トー組オールスターですね。
アンソニー・ウォン、ラム・シュ、ラム・カートン、サイモン・ヤム。いい役者勢ぞろいですよ。渋い!ラム・シュはやっぱりお笑い担当。彼の演技に観客が笑うことが面白かったですね。サイモン・ヤムもいいキレッぷりでしたね。アンソニー・ウォン、サイモン・ヤムはほんとどんな役でもこなしますね。あるときは警察官。あるときはマフィア。手下のときもあれば、トップも演じる。いやー、すばらしい。ラム・カートンもどんどん味がでてきてますね。でも若い。インファナル・アフェアのときと大して外見が変わってない。トニーはあんなにも老けてしまったのに。。。
コステロ役のジョニー・アリディ、はまり役でした。もともとはアラン・ドロンだったみたいですが、いや、彼のほうがあってますよ。復讐心、記憶がなくなることに対しての恐怖、空しさと悲しさ、、、痛いほど伝わりました。
 
これはぜひ日本人男性にみていただきたい。mixiだツイッターなどで人間関係が繋がっているようで希薄な現代。人との繋がり、信頼、友情、男とはということをジョニー・トー監督映画で感じていただきたいですね。
 
命をかけた男たちはかっこいい・・・。
タバコを吸いながら戦う姿、かっこいい・・・。男ですよ。

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