2010/07/12

OUTRAGE

【監督・脚本・編集】 北野武
【プロデューサー】 森昌行、吉田喜多男
【音楽】 鈴木慶一
【製作国】 2010年日本映画
【出演者】
ビートたけし、椎名桔平、加瀬亮、三浦友和、國村隼、杉本哲太、塚本高史、中野英雄、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗
【あらすじ】
関東一円を取り仕切る巨大暴力団組織・山王会組長の関内(北村総一朗)が若頭の加藤(三浦友和)に、直参である池元組の組長・池元(國村隼)のことで苦言を呈す。そして、加藤から直系ではない村瀬組を締め付けるよう命令された池元は、配下である大友組の組長・大友(ビートたけし)にその厄介な仕事を任せる。こうして、ヤクザ界の生き残りを賭けた壮絶な権力闘争が幕を開けた。

すばらしい!さすが北野映画!
もちろんヤクザの話ではない映画もすばらしいけど、私は北野映画といえばやっぱりヤクザなんですよ!B級になりがちな日本のヤクザ映画をこんなにも恐ろしく、リアルに、そしてエンターテイメントな作品を撮れる監督は彼だけ!

冒頭に、日本が誇る鈴木慶一の音楽が流れ、スーツを着た悪そうな面々、ゆっくりと走っていく黒塗りの車・・・。私はこのシーンをみて思わず鳥肌が立ちました。めちゃめちゃかっこいいシーンです。

不条理な縦社会で怒号と叫喚、ちょっと聞いてて面白くなるくらいの「コノヤロー」という台詞、カンタンに仲間を裏切り、何一つ信用できない中での下克上の物語。
ヤクザという世界はなんとなくもう時代遅れなイメージが強いけれど、まったく古臭く感じない。今のヤクザってこうなんだなって思いました。暴力だけでなく、頭も必要なんです。ヤクザの世界でも英語は役に立ちます。
そして<暴力>を直球に描いてます。ジャパンの映画にしては香港黒社会くらいの非情な殺し方などありました。素晴らしい!
香港映画になれてしまうと、どうもカンタンに銃で撃って終わりだと物足りなさを感じるんですが、この映画にはアジア独特のちょっと陰湿で非情なシーンがあり、私的には満足です。また、<暴力>だけだとただの非情な映画ですが、そこは北野作品、ちゃんと<笑い>があります。かなりシュールですが。その<暴力>と<笑い>の対比がすばらしい!これは北野武監督のなせる業でしょう。
あと、この映画は出演者が良い。いままでの北野作品にでていた役者を一切使っていません。ちょっと残念なところもありますが、これはこれで大成功だと思います。特によかったと思うのが三浦友和と加瀬亮、そして椎名桔平。三浦友和と加瀬亮なんていままでのイメージをふっ飛ばしましたね。おとなしいけど一番恐ろしい。ギャーギャー騒がない分、静の恐ろしさをうまく演じてました。椎名桔平はもうかっこいいのひとこと。役柄もかっこよかったですね。
國村隼さんも出てましたね。超ダメな役で。彼は私の大好きな香港映画「ハードボイルド」にも冒頭の銃撃シーンで出演してるんですよ。

いろいろ北野武作品はみてきましたが、その中でも上位に食い込む作品でした。
レンタルになったらまた観ようっと。

あ、あと衣装がやっぱり山本耀司さんですね。
だと思いましたよ。だって冒頭のシーンでのスーツがちょっと違いましたよ。オシャレでした。
さすがですね。
椎名桔平かっこいい。
やっぱジャパンのノワールはたけし映画です!ジャパンのジョニー・トー。

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