2009/12/31

OUR HAPPY TIME


【原題】 私たちの幸せな時間 우리들의 행복한 시간 
【原作】 コン・ジヨン(孔枝泳)
【脚本】 チャン・ミンソク,パク・ウンギョン
【監督】 ソン・ヘソン
【撮影】 カン・スンギ
【照明】 ファン・スヌク
【音楽】 イ・ジェジン
【出演者】 カン・ドンウォン  イ・ナヨン
【あらすじ】
 30歳という年齢で,これ以上生きていく理由も意志も希望もなくしたユジョンは,3度目の自殺にも失敗したその年の冬,精神科治療を受けなければならない状況で,叔母のモニカ修道女から一つの提案を受ける。うっとうしい治療課程の代わりに,1か月間死刑囚に会う奉仕活動をしろということ。ユジョンとしては,世の中で自分の心を認めてくれる唯一の人である叔母の要請を断れない。
 ユジョンが刑務所で会ったユンスは,何と3名の女性を殺害した罪で死刑宣告を受けた人物だ。ユンスは,容易ではない初めての出会いで,モニカ修道女の好意を破って監房へ帰ってしまう。だが,それが終わりでない。ユジョンは,生の絶望を分かってしまったユンスの目つきと表情に,あまりにも習熟した自分の顔を発見したのだ。
 出逢いを継続したユンスとユジョンは,いつのまにか心を開いてお互いの痛い記憶を治癒し始める。1週間に3時間だけ,木曜日の10時から1時まで。今,私たちの幸福な時間が始まったのだ。しかし,その時間は決して長くない。

2009年ラスト号泣しました。もう嗚咽もの。
死刑制度という重たいテーマが前提にあるし、最後もほんと悲しいんだけど後味は悪くないです。韓国映画特有の身分の差、迫っている死、家庭の事情、、、などベタな設定がてんこ盛りですがまったくもって安っぽくないです。なんだろう?映像と音楽もよかったのかな?ゆっくりとした音楽に陽の光が射した部屋。最初はきつい顔をして生きる意味を失っていた2人がだんだんと心を通わせ柔らかな表情になり、笑顔が増えていく。観ているこっちも自然と顔がほころびます。ま、美男美女だからってこともあると思いますが。

この映画よーくみないといろんなことをスルーしがちです。肝心なところがわかりずらいんです。私は2回見たのですが2回目にしてやっと全部理解できた気がします。
生きる意味を失い3回自殺未遂をユジョン。シスターの叔母に1ヶ月死刑囚と会うという奉仕活動をしろといわれユンスと出会う。お互い生きる意志もなく常に死を感じながら生きているんだけど、ユジョンはユンスに自分と似ている部分を感じる。何度も会ううちにだんだんと心を通わせ始める2人。ユンスが自分の過去をユジョンに話し、それを聞いたユジョンは「私もわかる」と答えるんだけどユンスにとってみれば、ユジョンは何不自由もないお嬢様に自分の気持ちなんかわかる訳がないと怒り、せっかく開いた心がまた閉じちゃうんです。ま、そりゃそうですよね。ユジョンの過去を知らないユンスからしてみたらお嬢様になにがわかるかと。が、しかしユジョンが自分の過去をユンスに話し、ユンスもそれを理解し本当に2人は心を通わせるんです。
それからユジョンはユンスのためにいろんなところへ行き写真をとり、刑務所から出られないユンスにその写真を渡したり、生まれて初めてお弁当をつくってあげたりとどんどん2人の時間は楽しいものになっていくのに残された時間は少ないわけで・・・。切ないですね。。。
はい、ここでこの映画の号泣ポイントその1。
ユンスは17歳の少女を犯し3人を殺害という犯行(この犯行内容も実は・・・映画をみるべし!)により死刑を宣告されているのですが、殺された1人の母親がユンスに会いたいというんです。会って殺してやりたいが、それはいけないこと。だからあなたを赦しますといって泣きながらユンスを赦そうとするんです。それによってユンスも泣きながら謝るんだけどそのシーンがね、、、もうなんともいえない。普通むりでしょ?自分の娘を殺した犯人を赦そうとするなんて。まだ完璧に赦すことはできないけど赦せるまで会いに来ます。だからあなたも生きてと泣きながら言うシーンは涙がこぼれます。
号泣ポイントその2。
2人は心を通わせ、ユンスにとっては週に1回木曜日の3時間がかけがえのない時間となり、このまま一生でられなくてもいいからここで施設の子供たちを手紙をやりとりをし、ユジョンと会えればそれでいいと。死にたいと思っていたユンスがやっと生きたいと思うようになったのに残酷ですね、ユンスの死刑執行の日が決まります。それを知ったユジョンは今まで死ぬほど憎んできた母親(憎んでいる理由は・・・映画をみるべし!)を赦すことをすれば奇跡は起きるのではないかと母親に会いに行き、母親を赦そうと泣きながら自分の思いを母親に話すユジョン。これはねー、ほんとつらいよ。この母親ほんと酷いんですよ。自分の娘よりもようは家の体裁が大事なんですよ。母親を赦すことは自分にとって死よりも辛いこと。だから母親を赦すことでユンスが助かればと思うんですよ。。。はい号泣。
つぎ、号泣ポイントその3。
とうとう死刑執行の日。いつもユジョンが来るのは木曜日。木曜日じゃない日に看守がユンスを呼びに来る。明るくなり前向きになったユンスは初めは気づかないんだけど、途中で今日が最後の日ということに気づくんです。同じ部屋にいる囚人たちも気づいて黙り込むんだよね。そこでユンスが「ご飯を食べ終わってから」といってご飯を食べるんだけど言葉では「怖くない」っていってもやっぱり気が動転してしまいご飯をのどに詰まらせてちょっととぼけながら「死ぬかと思った」っていうんです。。。笑えない!もうすぐほんとに死んじゃうのに!
最後の号泣ポイント。
死刑執行の場面。もうこれは、、、映画観てください。
簡単にいうと、ユンスが最後お世話になった看守の人たちや、シスター、自分を赦そうとしてくれた殺してしまった人の母親への感謝の言葉。そしてユジョンへの感謝の言葉と愛していますという言葉を話すところ。
そして最後の最後執行直前。弟が好きだった愛国歌を歌い、泣きながら怖いというユンス。。。。
あー、キーボード打ちながら泣きそうです。

あ、あとユジョンがとった写真にケーキをとった写真があるんだけどそこにうっすらユジョンがうつってるんですよ。それに「木曜日10~1時 私達の幸せな時間」とユンスがマジックで書いているんです。切ない。。。。

韓国の恋愛映画を軽く見ていた人も見てください。多分泣きます。
そしてカン・ドンウォンという俳優のすごさを知ります。彼は顔がかっこいいだけではありません。
186cmという長身に、小さな顔、低い声、そしてこの演技力、、、この映画とは関係ありませんがお洒落さん。彼の服装をジャパンの身体を鍛えてない男子がやったらただの草食系になってしまいますが、彼は違います。
映画の中でユジョンがユンスにむかって「笑うとハンサムね」とか「泣いたらハンサムも台無し」っていうシーンがあるんですが、ほんとハンサムです。ドンウォンssiがあまりにもかっこよかったらあとからこの台詞を付け加えたんじゃないだろうか。。。








こんな目で見られたら、手錠はずして逃がしちゃうよね。


The Chaser


【原題】 The Chaser 追撃者
【監督・脚本】 ナ・ホンジン
【エグゼクティブプロデューサー】 チョン・ウィソク、キム・ソニョン、チョン・スング
【プロデューサー】 キム・スジン、ユン・インボム
【撮影】 イ・ソンジェ
【音楽】 キム・ジュンソク、チェ・ヨンナク
【美術】 イ・ミンボク
【編集】 キム・ソンミン
【製作国】 2008年韓国映画
【出演者】 キム・ユンソク ハ・ジョンウ ソ・ヨンヒ
【あらすじ】
元刑事のジュンホ(キム・ユンソク)が経営するデリヘルの女たちが相次いで行方をくらましていた。彼女たちに渡した高額な手付金を取り戻すため、怒り心頭のジュンホは捜索を開始。失踪した女の車の中にあった携帯電話の着信履歴に“4885”という数字を見つける。部下から、たった今、ミジン(ソ・ヨンヒ)を斡旋した客の番号も末尾が同じだったことを聞き、ジュンホは二人の後を追ってマンウォン町へと向かった。一方、住宅街に佇む大きな家に迎えられたミジンは、男によって手足を縛られ監禁されていた。行方不明の女たちがこの男に殺されたことを察したミジンは泣き叫び必死に命乞いをするが、金槌とノミで頭を打たれてしまう。ミジンに電話が繋がらずイラついていたジュンホは、車の接触事故をきっかけにヨンミン(ハ・ジョンウ)という怪しい男に遭遇、長い逃走劇の末、ついに彼を捕獲し警察に引き渡す。「女たちは俺が殺した。そして、最後の女はまだ生きている」と告白するヨンミンだったが、自供のみで何一つ物的証拠がない。そんな状況にイ刑事(チョン・インギ)たちは焦っていた。遺体を発見しない限り、12時間後にはヨンミンを釈放しなくてはならないのだ・・・。

あー、怖かった。マジ怖かった。重いし後味悪いし・・・でも面白かった。
こういった人間の醜さ、残虐さ、卑劣さを描かせたらすごいですね、韓国映画は。そしてこの映画、韓国ではかなりの興行収入をあげたみたいです。ってことはかなり人気があったってことだよね?さすが、、、映画を観る目がありますね。
そしてこれ、実際の事件を元にしているんだそう。うわー、、、人間って恐ろしい。。。

デリヘル嬢ばかりを狙った殺人犯とデリヘルの元締め、しかも元刑事二人の追走劇。
犯人が殺したって自供しているんだけど、殺した場所を吐かない。警察も自供させることが出来ない。決定的証拠がない上逮捕状がない状態で拘束しているため12時間後には釈放しなければならない。主人公のデリヘル元締めジュンホははじめは自分の店の女の子を売られたと勘違いしているんだけど、だんだんと事の真相がわかるわけ。あいつはうちの女の子を売ったんじゃなくて殺したんだ、生きているうちに探さないとと。んで、犯人の車から盗んだものから犯人の家を探し、女の子を助けようとするんだけど・・・もう、最初から最後まで息つく暇がありません。緊張感・恐怖感が最初から最後まで続くんです。あと、「もどかしさ」ですね。「もー!!」って叫びたくなるほど。
まず、警察。ほんとダメ。上層部も面子が大事でこの事件よりも市長を守れとかいってるし、(市長は映画のはじめのほうでウンコなげられちゃうんだよね)現場の刑事たちも一生懸命なんだけどどうも捜査がずさんだし的外れ。釈放されてしまったら何人もを殺している殺人鬼がまた殺人を繰り返すっていうのにね。
あとデリヘル元締めジュンホもはじめはずっと犯人が殺したってことをまったく信じないで女の子を売ったって勘違いしてるんだよね。そこがもうもどかしい!早くきずけよ!って。でもジュンホははじめ「金」のために探すんですよ。要は自分の商売道具の女の子が逃げたと勘違いしていたから。けどだんだんと真相がわかるにつれ、また、いなくなった女の子の子供と一緒に行動するにつれ「金」から「贖罪」のために探し始めるんですよ。
そしてこの犯人ヨンミン!超怖い!一見ふつうの優男風なのに、つぎつぎとデリヘル嬢を殺す。しかも殺し方が残虐・・・。自供の仕方も恐ろしい。警察から「女の子を売ったのか?」って聞かれて「売ってません」ってそれからボソっと「殺しました」って普通にいうんです。その殺すって言葉になんにも重みがない。それがまた怖い。命を奪っておいて、しかもかなり残虐に、なのに普通の顔でさらっと殺しましたって。。。この犯人は狂っているのか平常なのか、この曖昧な感じがなんともいえない恐ろしさを感じました。

はぁ、、、最後の最後まで人間の恐ろしさを描き、そして救われないこの映画。あまりにも残虐な暴力・殺害場面、スピード感・緊張感のある追走シーン、アジア特有のジメッとした空気、人通りの少ない夜の住宅街、薄暗く汚れた浴室、、あーもうすべて怖い!
韓国映画の底力をみせつけられました。日本じゃ絶対つくれません。。






いや、だからマジ怖いって・・・


2009/12/27

Expect the Unexpect


【原題】 非常突然 Expect the Unexpect
【邦題】 デッドポイント 黒社会捜査線
【製作年】 1998年
【製作国】 香港
【監督】 パトリック・ヤウ
【脚本】 ヤウ・ナイホイ
【出演】 ラウ・チンワン サイモン・ヤム ヨーヨー・モン ラム・シュ
【あらすじ】
香港、降りしきる雨の日。
カフェの店長マンディ(ヨーヨー・モン)は、テレビニュースで取材を受けている特捜の警部ケン(サイモン・ヤム)を見つめていた。
そこへガラの悪い3人の男がやってきて、マンディは不愉快な顔をする。以前からマンディに卑猥な言葉などでちょっかいを出していたのだ。
一方、向かいの宝石店で3人組の強盗が押し入るが、強固なショーケースを割ることができず、警官が来たために逃走する。強盗の1人(ラム・シュー)は、近くにあったアパートのビルに逃げ込み、警官隊が集結して包囲を開始していた。
カフェにいたリーダー格の男はそれを見て、携帯電話で連絡を取っていた。その相手はアパートの一室で寝ていた男への連絡で、部屋には裸で縛られた女性2人が横たわっていたのだ。
部屋を確認してまわる警官に発砲した男は、銃撃戦の末に負傷して逮捕される。カフェの3人は男を奪還するために堂々と現場で銃を撃ち、逃走していった。
特捜のケン達が駆けつけ、遅れてやってきたケンの同僚で友人のサム刑事(ラウ・チンワン)は、停止されていたエレベーターに乗り込み、そこで妙な音を耳にするが…。

いやー、最後が!そりゃないよ!って感じです。確かに、DVDジャケットに「神に見放されたこの街に、非情の銃声がこだまする」ってありますもんね。。。確かに神に見放されてるよ。救われないわ~、ほんとに。
これはノワールとちょびっとラブストーリーがはいったストーリー。毎日命をはった刑事たちも恋愛する時間も大事なんです!普通の人間なんです!って感じ。ある強盗事件の犯人が逃げた先のマンションに別の犯罪を犯している犯人が潜伏していて偶然みつかってしまい、二つの事件が同時に進行してしまうんですが、あれ?どっかでこんなようなストーリーの映画があったような・・・。あ、同じジョニー・トゥ監督の「ブレイキングニュース」だ。監督~、おんなじ手法はやめましょうよ。でもその後のストーリーはまったく違うからいいか。
エリート警部のサイモン・ヤム演じるケンと同僚のちょっとすっとぼけているサム刑事。一見ケンのほうがやり手なんだけど実はサムのほうが機転がきき、偶然?!犯人を捕らえたり、口を割らなかった犯人から自供させたりしちゃうんです。また、女性に対しても同様でね。。ま、よくあるパターンですね。そう、この映画よくあるパターンがかなりあるんですが、それになれてしまったところでガツーンと裏切られます。「え?!マジで?!」という風に。もちろんアクションシーンも見ごたえあるし、緊張感もあるのでさすがジョニー・トゥ監督作品です。ハラハラドキドキの中にちょっぴり抜け間のあるラブストーリー、かなりベタですがなんだかそれぞれの刑事たちがとてもかわいく見えます。

以前このブログで私はラウ・チンワンが苦手と書きました。けどだんだん彼の作品をみていると苦手さがなくなりました。むしろいいんじゃないかと。迫力のあるシーンもギャグなシーンもお見事です。相変わらず顔はこわいけど。。。
そしてサイモン・ヤム。渋いですね。ジョニー・トゥ監督作品の常連さん。黒社会にぴったりな風貌ですからね。だってこの迫力!刑事もマフィアもどっちも演じられます。この映画ではエリート警部、エレクションでは黒社会のトップ、PTUでもPTUのリーダーを演じでました。いやーそれにしても渋くてかっこいい。黒いトレンチコート姿がたまりません。スタイルもいいし。調べてみたら昔モデルもやってたことがあるとか。なるほど。納得です。
あ、あとマフィア系の名わき役、ラム・シューもバッチリでてます。





黒のトレンチコートの似合うサイモン・ヤム。渋いです。


The Phantom Lover


【原題】 夜半歌聲/The Phantom Lover
【製作年】 1995年
【製作国】 香港
【監督】 ロニー・ユー
【製作総指揮】 レスリー・チャン
【製作】 リー・ニン、レイモンド・ウォン
【出演者】 レスリー・チャン ウー・チェンリン ホアン・レイ シトー・ヒーフォン パオ・ファン リュウリン チョウ・ショウゲン シュウセイ リュウ・テンチ
【あらすじ】
 今は廃虚に近い劇場で公演をするためにやってきた劇団。しかし演じる内容はと言えば、お粗末なプロレタリア芝居。お陰で客はほとんどこない。
 そんな時、団員の一人の青年ウェイチン(ホァン・レイ)は劇場で不思議な歌声を耳にする。声に導かれるように劇場の奥へ奥へと入っていくと、そこには黒いマントを身に纏った不気味な男(レスリー・チャン)の姿があった。
 彼はこの劇場を設計し、脚本や作曲もこなす大スターだったソン・タンピン。しかし彼は旧家の娘(ン・シンリン)との愛を引き裂かれ、劇場も焼失。その果てに残ったのは半分焼けただれた顔。彼は人知れずこの寂れた劇場で暮していた。
 ところがソンピンはウェイチンに演技や歌唱指導を始める。それは満月の晩になると街を彷徨いやってくる、気の違えた恋人のためでもあった。

香港版オペラ座の怪人ですね。あとそれに「ロミオとジュリエット」を足した感じです。
セットもめちゃめちゃ豪華で美しかったですね。これはレスリー本人が製作総指揮をとったそうな。悲恋の物語、美しいセット、そして美しい主人公。もうこれだけで十分ですね。
レスリーはいままでかなり幅広い役を演じてますが、実はコメディでもなくゲイでもない普通の二枚目の役がとても新鮮でした。舞台のときのちょうちんブルマ姿でさえ美しいんです。二枚目は得ですね。
ストーリーはというと、、うーん、悲しいけど突っ込みどころは満載ですね。
そして容赦なくかわいそうなのがヒロインです。レスリー演じるタンピンと恋に落ちるのですが親に反対され、タンピンが演じている劇場とタンピンもろとも焼かれてしまう。そんで親が決めていたどっかの有力者の頭のわるい息子と結婚させられ、初夜に処女でないってことだけでバカ息子にボッコボコにされてしまい、しまいには結婚破棄。親からも勘当させられて気がおかしくなる。でもずーっとタンピンを思い続けている。気がおかしくなってしまい、タンピンの名前を呼び続けているのに、生き残っていたタンピンは顔に傷があるからあえないとかで結局会えずじまい。苦労の末目がみえなくなってしまい、やっとそのときにタンピンと会えるんだけど、見えないし!そして最後は死んでしまうし。。。残念ですね。一応最後は二人は一緒になれたってことでハッピーエンドなのでしょうか?
もう顔がどうこうじゃなくて早くあってやれよ!って感じですね。生きてただけでも彼女にとってはうれしいだろうに。。まー、役者として生きてきた彼にとって顔はそれほどまでに大事だったのでしょう。。
この映画ではレスリー本人がちゃんと歌っております。さすが本業は歌手ですからね。うまいです。

なんかいろいろレビューをよんでいると、レスリー本人はこの映画をもっとゴシックホラーにしたかったらしいです。映像をみてレスリーが「俺をきれいに撮りすぎている」といったそう。ま、きれいなんだから仕方ありませんね。






高らかと歌っておりました。


予告がなかったのでレスリーの歌声をどうぞ

NEW POLICE STORY


【製作年】 2004年

【製作国】 香港=中国
【原題】 新警察故事
【監督】 ベニー・チャン
【出演者】 ジャッキー・チェン  ニコラス・ツェー チャーリー・ヤン シャーリーン・チョイ  ダニエル・ウー デイブ・ウォン
【あらすじ】
チャン警部(ジャッキー・チェン)は、冷静沈着な判断力を持ち、検挙率も署内No.1。香港警察の中でも抜群の成績を誇り、部下や同僚から信望も厚く、さらに、ホーイー(チャーリー・ヤン)という美人婚約者もおり、公私ともに負け知らずのエリートだった。

ある日、アジア銀行が強盗に襲われた。高価な武器を所有し、ゲーム感覚で犯行を企てるジョー(ダニエル・ウー)率いる犯罪集団は、犯行後大胆にも警察へ通報し、駆け付けたパトカーや警察官たちを撃ちまくるという、狂気の行動に出た。自分の能力に絶対の自信を持つチャン警部は、事件後すぐに犯罪集団のアジトを特定。「3時間で事件を解決してみせる」とマスコミに向かって豪語し、特殊部隊を引き連れて敵のアジトへと乗り込む。
しかし、そこに待ち受けていたのは、チャンと特殊部隊を陥れる罠だった。監視カメラにより、チャンたちの行動はすべて犯罪集団に筒抜け。そして、ありとあらゆる場所に仕掛けられた巧妙かつ残忍な罠で、チャンの仲間たちは次々と惨たらしい手口で殺害されていく。チャンだけはかろうじて生き残ったものの、部下たちを全員失ってしまった彼の人生は一転。あっという間に転落していく。
9人の部下の命とともに、信頼する友、自信、プライド、余裕、そして、生きる希望までをも失ってしまったチャンは、停職処分を受け、酒に溺れる日々を過ごしていた。そんなチャンの前に新たな相棒“巡査1667”ことシウホン(ニコラス・ツェー)が現れる。若いシウホンは、香港でNo.1だった先輩刑事を何とか立ち直らせようと、懸命に彼を説得する。おかげで久しぶりに出勤し、捜査を再開することになったチャン。しかし、自分を登録番号でしか名乗らないシウホンの様子がどうもおかしい。彼は一体なにものなのか?
一方で、香港警察には犯罪集団から新たな挑戦状が叩きつけられていた。どうやら、彼らの目的は金ではなさそうなのだが、その核心に触れられないでいた。エスカレートする犯罪集団の狙いはなんなのか? はたしてチャン警部は事件を解決し、かつての栄光を取り戻すことができるのか? 香港を震撼させる最も冷酷な事件に、終止符を打つことはできるのか?

以前の私の香港映画のイメージは、そうジャッキー・チェンでした。ジャッキーが香港の雑踏の中で大暴れ!っていう感じ。なので香港人=ジャッキーでしたね。なので正直香港映画が好きではありませんでした。だってジャッキーってアクションはすごいと思うけど、ビジュアルがまったくもってイケメンではありません。髪型もおかしいし、、、。昔CMで「ジャッキーに会いに香港に行こう」ってありましたが、まったく行く気はしませんでしたね。なので正直このDVDも観るかものすごく迷いました。
けどダニエル・ウーがでているということ、あと「天使の涙」にでていたチャーリー・ヤンがでているということで観ました。
ストーリー自体は面白く、ジャッキー、ニコラスの体をはったアクションもさすがでした。チャーリー・ヤンも天使の涙のときとはまったく違った印象ですごくきれいな大人の女性だったし、もちろんダニエルのかっこよさは文句なし。
さすがベニー・チャン監督です。テンポのいいストーリー展開に派手なアクション、アクション娯楽を見せております。
けどね、やっぱジャッキーがかっこよくないんです。すごい人だとはわかっております。香港を代表するスターです。ジャッキーを好きでない香港映画ファンなんてあまりいないこともわかっております。むしろ説教されるんじゃないかってくらいに。けど、やっぱりイケメンではないんです。整形したとはいえ、やっぱり髪型が・・・・。なので彼が完璧なエリートで美人な婚約者がいるって設定がもう感情移入できない。なのでちょっとしたラブシーンでさえもなんか違うと思ってしまって。。。すみません。
ま、その分ダニエルは相変わらずイケメンでしたのでいいとします。






やっぱダニエルはイケメンです。かっこいい。。。

なんかちがうんだよなぁ。。。


2009/12/24

SILMIDO

【製作年】 2003年
【製作国】 韓国
【原題】 実尾島
【監督】 カン・ウソク
【プロデューサー】 イ・ミンホ
【原作】 ペク・ドンホ
【脚本】 キム・ヒジェ
【出演者】 アン・ソンギ ソル・ギョング ホ・ジュノ チョン・ジェヨン イム・ウォニ カン・ソンジン カン・シニル イ・ジョンホン オム・テウン
【あらすじ】
韓国政府が32年間隠し続けた衝撃の事実!
本作品は1971年に韓国で実際に起こった、金日成主席の暗殺計画のために結成された特殊工作部隊(684部隊)の反乱事件という事実を基に製作されました。
シルミド(実尾島)という無人島に集められた死刑囚ら31人の男たち。
彼らに告げられたのは、68年に北朝鮮が起こした青瓦台(韓国大統領官邸)襲撃未遂事件の報復として、「金日成主席を暗殺せよ」という衝撃的な指令だった。
「任務を完遂すれば、社会復帰し、英雄になれる」との言葉を信じ、すさまじい軍事訓練に耐え抜く男たち。数年後、死者も出るほどの過酷な訓練の末、彼らは優秀な特殊部隊(684部隊)に成長する。
いよいよ任務遂行の日を迎えたその時、突然の作戦中止命令が下される。南北情勢が変化し、暗殺計画が白紙になったのだ。しかも、政府は部隊の存在が明らかになるのを恐れ、全員を抹殺する指令を出した。
あまりにも理不尽な運命を知った彼らは、シルミドを脱出しソウル(青瓦台)へ向かうのだが・・・

このDVDのジャケットみてください。もう男くささがでまくりですね。かっこいい。出た当時も話題になったことは覚えてます。DVDが出たばかりのときにソッコー借りて観たんです。んで、最近レビューを書こうってことで再度見直しました。細かく覚えてなかったのでね。。
泣きました。最後涙が止まりませんでした。
この映画は実際あった話をもとに製作している映画です。ってか、ほんとに金日成暗殺計画ってあったんだとまずそこから驚き。いろいろ映画なので事実と違う部分もあるみたいですが。。。
死刑囚たちを集めシルミドに送り、「任務を完遂すれば、社会復帰し、英雄になれる」という言葉で彼らを暗殺部隊を作り上げる。彼らにしてみれば死ぬはずだった人生がここで頑張れば国の英雄になれるというを言われたらもうやるしかないでしょう。というかもう戻れないですね。
その訓練はありえないほど厳しい。実際の韓国の軍隊にいた人のレビューでほぼ映画と実際の訓練はそう変わらないと書いておりました。マジで?!すごいですね、軍隊というものは。学生時代の部活ですらきついと感じた私にはあんなの絶対ムリ。多分ソッコー死んでます。
でもそこでひとつ思ったのが、国のためということでここまで頑張れるってすごいですよね。お国柄でしょうか、やはり。今の日本人って愛国心ってものはそんなにないと思うんですよ。もちろん日本は好きだし、日本で生まれてそして育ってよかったと思っているけど、日本のために命はれるか?っていわれたらきっぱり「NO」と答えます。日本も戦時中はそういう国のために命を投げ出していたので国というより時代ですかね。
「英雄になれる」といわれ厳しい訓練にも耐えてきた訓練兵が最後は「敵」として扱われる。つらい。。。同じ民族同士の争い、国・政治に翻弄されてしまうんです。こういうことはこの事実だけでなく、多分世界の各地で起こっているんでしょう。
訓練兵たちを抹殺しろという命令が下された隊長の決断、それぞれが生き残るために指導兵と訓練兵との涙ながらの戦い、善人に見えた指導兵の裏切り、北朝鮮への訓練のため韓国の歌が思い出せないと北の軍歌を歌い、自分たちは生きていると血で名前を書く兵士たち。。。
どれも残酷で悲しくて胸がつまります。
事実はこれより残酷だったみたいですね。ありえない。。。これ以上に残酷だなんて。ちょっと本とかいろいろでているみたいなのでこれから調べてみようと思います。

戦争映画という枠でみると戦闘シーンの迫力やセットにそこまで力は感じられません。でもこの映画が伝えたかったのはそういうシーンではなく、このそれぞれの人物の感情、国の不条理とかだと思うんです。それに役者たちの演技にひきこまれそんなことは一切気になりませんでした。
この映画はほんとに骨太で男くさいです。役者もジャパンでスターと呼ばれる人は一切でていないし。華のある人は正直でてないけどその分渋い。。。主人公の人もたしか「ペパーミントキャンディ」の人ですね。あと「ガン&トークス」の人もでてるし。ぜんぜんイメージがちがくて気づかなかった。。。
そしてアン・ソンギですよ。最近私の中で彼はかなりの勢いで急上昇です。渋いですね。ココの映画でもすばらしかったです。もう彼の最後のシーンでは涙が止まりませんでしたよ。
ワタクシがなぜアン・ソンギがかっこいいと思った理由がわかりました。男っぽくってタレ目な大人だからです。自分でもなんでこの人をこんなにもかっこいいと思うのだろうと分析してみたら、なーるほど、私の原点だったんですね。なのでランキング第5位ということで。あと、この映画のアン・ソンギはなーんとなく、「ラスト・コーション」のときのトニーに似ている気が・・・!気のせい?!

し、渋い。。。右の後ろの人、ちょっぴり白竜っぽい

MEMORIES OF MURDER

【製作年】 2003年
【製作国】 韓国
【原題】 MEMORIES OF MURDER
【邦題】 殺人の追憶
【監督】 ポン・ジュノ
【プロデューサー】 チャ・スンジェ ノ・ジョンユン
【脚本】 ポン・ジュノ シム・ソンボ
【撮影】 キム・ヒョング
【音楽】 岩代太郎
【出演】 ソン・ガンホ キム・サンギョン パク・ヘイル キム・レハ  ソン・ジェホ ピョン・ヒボン
【あらすじ】
1986年、ソウル近郊の農村で若い女性の裸死体が発見された。
無惨にも手足を拘束のうえ強姦されており、その後も同じ手口の連続殺人事件が相次いで発生。現地には特別捜査本部が設置され、地元の刑事パク・トゥマン(ソン・ガンホ)とソウル市警から派遣されたソ・テユン(キム・サンギョン)は、この難事件に挑む。性格も捜査方法も異なる二人は対立を続け何度も失敗を重ねながら、ついに有力な容疑者を捕らえるのだが…。

天才ですね、ポン・ジュノという監督は。
一見美しい田舎の風景、子供が無邪気に遊んでいるその先には赤い服を着た殺された女性の死体、全体的にトーンを落とした映像、遺体の映像の後の焼肉店での生肉を焼く映像、閉鎖的な田舎の空気、寂しい歌謡曲の流れる雨の夜、白い煙を出す工場のタワー、田舎の刑事の古いやり方と都会の刑事のスマートな捜査、、、。それらの場面がこの映画により恐怖感と緊張感を与えています。
ソン・ガンホ演じる刑事がかなりむちゃくちゃなやり方で犯人をでっち上げる。そこにシュールな笑いがはいっているんだけどそれがまた違った怖さがでている。自白させるために台詞を覚えさせたり暴行をくわえるんだけど、なぜか容疑者はいつもブリーフ姿ですっとぼけてるし、犯人捕まえるときドロップキックをお見舞いしたり。。。
もうなにが怖くてどこが笑いの部分なのがわからなくなってくる。
まったくタイプの違った2人の刑事を中心に事件・犯人を追い詰めていっているようで実はどんどんこの事件においつめられていく様子がなんともいえない。もう手に汗握るってこういうこと?ですね。
冷静だった刑事が最後、雨の中感情をあらわにするシーンとかね、もうすごいんです。

この映画は80年代、軍事政権のなか実際おきた事件をもとに製作している映画。
犯人もいまだ捕まっていないみたいです。なのでこの映画のエンディングも賛否両論。
いやいや、あのエンディングだからこそいいんです。最後の最後まで恐怖感を与えております。
軍事政権下という特殊な時代の普遍的な日常、人間の醜さ、残酷さ等など、すべてがリアル。最後のソン・ガンホの表情がこの映画の全てを物語っているのでは?!

このソン・ガンホという役者はほんとにすごい!ぜんぜんかっこよくないのに(すみません)すごいひきこまれますね。参りました。あんな存在感がある役者はそういないと思いますね。私は韓国の役者があまり覚えられないんです。なぜって?顔がうすくて判別不可能だからです。はっきりとした顔がすきなんです。(顔ははっきりとしたイケメンはすぐに覚えます)でも彼はすぐインプットされました。彼の出演作品、どんどん観ていこうと思います。(いくつかみてるけど。そのレビューはまた今度)
あと、もう一人の刑事役のキム・サンギョン氏ですか?最初はぜんぜんかっこいいと思わなかったけどだんだんラストに近づくにつれてかっこよく見えてしまいました。
はー、それにしてもすごい映画でした。こういう作品は日本にはとれないだろうなぁ。。あんまりみたことないけど日本の刑事ものの映画ってやたら熱血だったり事件がお祭り騒ぎだったり、最後はめでたしめでたしのハッピーエンド。人間のリアルな感情が見えてこない。犯人だって刑事だって同じ人間。どっちも醜い部分というものはもっているはず。そういうことを韓国映画、香港映画ってわりとみせるんですよね。日本の場合は、犯人・事件の酷さ、そこばっかりなきがするんですよ。善と悪は誰もが持ってるんです。きれいごとばかりじゃつまらないですよ。

この映画、というかポン・ジュノについて朝まで語れそうです。「母なる証明」もそうだったけど、彼の作品はどの場面もみすごしたらダメですね。ポップコーンに気をとられていたらダメです。どの場面も大事でいつどこでつながるかわかりませんので。これ注意。そして見終わった後、論議をしたくなること間違いなし。

だんだん彼がかっこよく見えてきてしまいました・・・※ソン・ガンホじゃないよ

2009/12/22

Guns & Talks


【題名】 ガン&トークス
【英題】 Guns & Talks
【原題】 殺し屋達のおしゃべり
【ハングル】 킬러들의 수다
【製作年】  2001
【監督】 チャン・ジン
【出演者】 シン・ヒョンジュン ウォンビン チョン・ジェヨン シン・ハギュン
【あらすじ】
韓国・ソウル。冷静なリーダーのサンヨン、爆発物専門のジョンウ、スナイパーのジェヨン、サンヨンの弟でパソコンマニアのハヨン、彼ら4人の稼業は殺し屋。普段はどこにでもいるごく普通の青年ながら、ひとたび仕事となればどんな依頼も着実にこなすプロフェッショナル。ある時、オペラ劇場での上演中、ある人物を暗殺して欲しいというハイリスクな依頼が舞い込んできた。4人が周到に準備を進める一方で、彼らを日頃マークしているチョ特捜検事も不穏な動きを察知し、厳戒態勢を敷く。

面白かったです。テンポがかなり良かったです。韓国映画はこう、力の抜き加減がうまいですね。程よい緊張感とちょっと古さを感じる笑いの部分。ベタな分素直に楽しめる。
この映画は殺し屋というものをかなりポップに描いております。殺しを実行するハラハラさせるシーンもあれば兄弟四人が大好きなニュースキャスターとの妄想シーンなど、メリハリがあって飽きずにみれました。殺し屋の話だけど派手なアクションシーンや、残酷なシーンもないしね。
主人公の人、 シン・ヒョンジュンですか?いいですね~、彼は。普段はなんとなくボケっとしているけど仕事熱心で、一番熱い男の役。はまり役ですね。あと、次男のチョン・ジェヨン。彼はシルミドの人だったんですね。気づかなかった。。。あまりにも違いすぎる。この映画ではちょっぴり田辺誠一みたいな感じでクールなイメージ。シルミドではかなり熱血な役だったからね。あとボーズだったし。
そしてウォンビン。かわいいですね~。すっとぼけてるけど一生懸命な弟を演じておりました。殺しの依頼をしていた女子高生とのやりとりとかは「かわいい」の一言に尽きます。ただもうちょっとウォンビンを出してほしかった。








かわいいですね。最後のウォンビン3連続は私の友人に贈ります